月がとっても睨むから 公演情報 Mrs.fictions「月がとっても睨むから」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Mrs.fictionsの数少ない長編作、それも昨夏上演がお流れとなった新作の仕切り直し公演。どんな様相であろうか、若干尻込みしつつも興味が勝って近ごろ桟敷童子以外の利用も盛況のすみだパークスタジオへ赴いた。
    昨夏の穴埋め企画で見た「花柄八景」(映像)、再演「伯爵のおるすばん」そして今回と、短い期間内に長編Mrs.舞台を立て続けに鑑賞する事に。
    このユニット固有の持ち味それは実直さと丁寧さだろうか。笑いとシリアスいずれに関わらず、どちらかと言えば間を取る方を選ぶ場面の作りにその表れを見るのは単に錯覚だろうが、それが長所に思えているのは舞台の成功の所以だろう(もって回った言い方だが)。
    書き手目線では、作者が力を注ぎ込んだ痕跡と成果を劇作の随所に見た。錯綜する多様なideaを一本の筋に織り上げ、言葉に息を通わせ、一つの物語世界を作り上げる。お蔵入りには惜しいと言わせるレベルに(当然ではあろうが)仕上げた。

    ネタバレBOX

    本編通じて笑いの仕込みに余念が無いがテーマじたいは重い(作者がテーマありきで書き始めたのかそれは判らないが)。つぶさに思い出せないのが悔しいが、捻りの効いた警句が三箇所ばかり、オッと思わせる台詞があった。ストーリーの展開もさる事ながら、人生を俯瞰させる気の効いた文句(を引き出すシーン)三つ目にして太鼓判をついてしまった。
    罪の問題を巡って二人が向かい合うラストでの長いやり取りは、言葉が説明し得ない余白があり、二人の交流(演技)に委ねられた時間である。台詞の後ろに流れるコンテクストをリアルに辿る課題は恐らく公演の続く間に完全な形をみないだろう。が、そこに向かう探求を演劇的営為と思いたく、また探求の余地を与えるテキストとして読みたい願望も今作品には寄せてみたい。

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    2019/08/04 23:28

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