ARTE Y SOLERA 『琥珀』 公演情報 ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団「ARTE Y SOLERA 『琥珀』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     世田谷パブリックシアターの3階席から拝見したが、歌舞伎と同じでこういう席は全体を俯瞰できるので、衣装、被り物と衣装のコントラスト、照明の効果、群舞の際のポジショニングや全体のコントラスト等々が構造的に把握できて実に楽しい。

    ネタバレBOX

    また鍵田 真由美さんと佐藤 浩希さんの2人にはソロのシーンがあるが、流石にソロを踊れるだけのダンサーである。鍵田さんのソロは、ステップの紡ぎ出す正確なリズムと身体の用い方の見事さ、衣装を翻す際の艶やかさのみならず、観ている我々の身体の奥底に普段休眠しているリズム感迄叩き起こして、共鳴させてくれる。これは彼女のダンスが単に身体の見事な動きやステップの刻む正確なリズムによってばかりではなく、これらを通して彼女と共鳴する空間・身体が一体となって、延び広がるような彼女のイマジネーションによって繋がり、その踊りを大きく見せている為だと思われる。佐藤さんの場合、パンタロンの裾巾を物凄く広く取って身体の動きに興趣を添えるとか、スペイン伊達の若者が着るようなコスチュームを纏っても良いかも知れない。この辺り、男性は男性なりの衣装の工夫がもっと欲しい。群舞を舞った踊り手たちも基本は可也できている方々なので、自己と宇宙とのコレスポンダンスを図って欲しいと思うのだ。
     演出的には照明とのマッチングで素晴らしい効果が上がるので、それらの効果を総ての作品について検証して欲しい。自分が最も気に入ったのは黑い衣装に星を鏤めたようなショールを用いた鍵田さんのソロ、矢張り彼女のソロで、赤い被り物を用いた作品の2つ。1番が黒作品であった。頭の可也暗めのぼやかしたようなスポットからグラデーションをつけピンスポに持っていった辺り、照明にも痺れた! 無論この光の変化の中に翻る正しく小宇宙のようなショールの翻る様の美しさも、ネゲブ砂漠の大岩の上に設えられたベッドに寝転びながら、アメリカ在住の著名アーティストと一緒にみた夜空のように素敵なものであった。

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    2019/08/04 03:41

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