満足度★★★
欧米の自然科学者は「この世界には神の作られた美しい秩序がある」と信じて困難な課題に立ち向かいます。このテイヤールも神を信じることを力にして表面的には神の教えに反する研究に没頭します。矛盾するようでしない感覚です。…と私は想像しています。追記:テイヤールは神に近づきたいのであって、神になりたいとか神を否定しようとかは決して考えないはずです。…これも私の根拠のない想像。
会話劇としては議論が深まりません。それはこういう演劇では権力側の人間は一段も二段も落ちる人物に設定されているからです。「こんなアホを相手にしてもしょうがない」という雰囲気にして真剣な議論から逃げているのです。
真剣な議論になると進化論そのものを避けることはできません。調べてみるとウィキペディアの「進化論裁判」が実に面白いのです。劇中で言及された「モンキー裁判」は「スコープス裁判(1925年)」として項目立てされています。読んでみると予想の斜め上を行く内容に唖然とします。テネシー州が「反進化論法」を1967年に廃止したのは1957年のスプートニクショックが原因だというのもうまく出来すぎています。
70分+休憩15分+35分は休憩なしで良かったのでは。