パラボラ 公演情報 現ア集「パラボラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     初めて拝見した劇団だが、この3~4年は年240・50~300本位の舞台を拝見している自分が、1000作品以上の中で最も笑った作品だった。新たな才能、発見!!! 作・演は同一人物だが、演出助手がつき、舞台美術は女性が担当している。役者さん、制作さんを含め総てのメンバーが20代前半という印象を受けたが、誰一人抜け落ちない、素晴らしいコンビネイションとバランス、センス、技術力そして感じの良さ、感性の柔らかさを感じさせる団体であった。今後、大いに期待!! (華5つ☆追記2019.7.17)

    ネタバレBOX

     舞台美術もしっかり作り込まれている。舞台奥には、神棚が作られ、供え物を置く為の階が設えられ、榊、酒、農産品等が備えられている他、祭壇の手前には賽銭箱、その上手には祭りの小さな子用の山車に載せるような和太鼓が在る他、祭壇上手の壁には収納庫がついており、下手に設けられた外界監視用モニター等の入った収納スペースとシンメトリックに対応している。出捌け口は下手客席寄りに杉板を用いた開き戸が用いられているのはちゃんと神社の造りを理解している証拠だろう。社務所を出た所は袖的にも使える。出捌け口の壁に沿った舞台奥には横長のキャビネットが置いてあり、お焚きあげのノウハウを書いた巻物や、機材が仕舞われている。手前は座敷になっていて座布団などがある。様々なロボット、電磁器具などが登場して実に面白いのだが、詳細は、再演時のお楽しみ。
     脚本は自由なイマジネーションと愉快な逸脱に満ち、同時に如何にも現代日本の若者が持つハレの感覚に相応しく、変動する状況に対する自然な態度に貫かれ、伸び伸びした表現と現在身近で用いられているテクノロジーの産物と古来からの神道が絶妙な関係を保って物語が展開してゆくのは、基本的に登場役者陣が、皆自然体で演じている所から来ている。意外と哲学的にも深読みできる作品で本質的なことを随所で示唆しているのに一向肩が凝らない。
     舞台慣れしている方からは小道具の出し方で辻褄合わせ過ぎ!? という意見も出ようが、作品が本質を追及していることだし、若者は本質を先ず追及しなければ大人達の経験に太刀打ちできないから、若いうちに大いに本質を極めておくべきだと自分は考えている。下らない常識なんぞに縛られて何処にでも居るタイプの大人なんかになる必要は全くないのが、表現する人間たちの世界なのだし。
     今作は、神社の社務所で宮司の子息と仲間が雑談する模様を描いた作品であるが、祭りの催し物の企画会議がその内容を為し、籤には実は特等、1等賞等の景品が用意されていない、籤の本質は、当たり外れのワクワク感にあって、それが籤で販売した「商品」であるから、それ以上にPステなどの景品を付けることは籤の本質に反しているから付けない。大切なのは、本質であるとの認識が語られ、このように考えるストイックなオジサンが世の中には居て、そういうオジサンは、一目で本質を見抜き己自身をも本質に則って身を処している人々ではないのか? といった形で議論が発展してゆくのでかなり哲学的なのだ。が、一方、こういうオジサン達は存在してきた。例えばプラトン、孔子、老子、荘子など世界史に名を残すような賢人たちとして存在したし、今も存在しているだろうが、彼らはストイックオジサンのグループを形成しているのではないか? といった方向に発展、これと思う人には、組織からのコンタクトがありそうだという話が出て来たりもする。然し、問題は声が掛かった時、自分自身をひとかどの人物として自己評価するようでは、ストオジの資格がそもそも無いのではないか? という疑問が出て来たり、そうするとポテンシャルとしてはストオジとしての力量を持ちながら、グループに入れないオジサン達が生まれて彼らは彼ら同士の結社を作り、光のストオジVS闇のストオジの対立構造を生むのではないか? そして彼らの戦いはディベートという形を採るのではないか? といった話に発展してゆく。これらの話の中で腹を減らした面々が、供え物に食材が多いことに気付きガパオメシを作ろうと作業開始、神社であるから“お焚きあげ”などの行事もあり、その際には社務所内で火を焚くのを良いことにこの儀式に則って火を焚き調理をするのだが、この際、現代日本に生きる若者らしく、様々な電磁機器が、神社の儀式にまるでマジックのように用いられ、現代の先端技術が神々の世と融合してしまうのである。これは圧巻! であった。
     まあ、様々な宗教の起こる時には様々な奇蹟が起きた、という逸話がつきものであるが、為政者が支配力を得る為には、民衆を臣民にしなければならない訳で、その時には、民衆には思いも及ばない高い技術を見せて、為政者の卓越性を見せつけ頼らせるという方途が必要になるのはある意味道理であるから、頗る面白く表現されてはいるものの、これは今作のテーゼ通り、頗る本質的な挿話なのである。

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    2019/07/16 01:01

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  •  現ア集制作ご担当さま
     ホントに面白い作品でした。今後の皆さんのご活躍にも期待しています。劇団の皆さまにもよろしくお伝えください。
                                    ハンダラ 拝

    2019/07/22 05:09

    観に来てくださり、ありがとうございました!また、評価の長文コメントもありがとうございます!!次回作もぜひチェックしていただけますと幸いです!

    2019/07/22 00:56

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