三人姉妹 公演情報 地点「三人姉妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    全く斬新であっけにとられたまま終わる75分。九人の登場人物は、四つん這いで現れ、くんずほぐれつ、相手を変えながら、二人組で絡み合い転げ回りながら、コラージュされたセリフをしゃべる。

    舞台の上には舞台はばほぼいっぱいの透明の2メートルほどの高さのアクリル板の壁がある。それを登場人物たちが力一杯押したり引いたりするのも、舞台の運動量をあげる。セリフは叫ぶような大声で、チェーホフと聞いて思い浮かべるような陰影はない。衣装も体操着のような動き回りやすい気能的なもの。韻を踏むような、単語を解体するような独特のセリフ回しは、音楽性の回復なのか、意味の解体なのか。

    チェーホフの人物たちの抱えた鬱屈は、表面のベールを剥ぎ取れば、身悶えするような、熱いマグマがたまっているということなのだろうか。心理の熱量を肉体の運動量に変換してみせた。
    まだるっこしい駆け引きでできた、19世紀ロシアの社交芝居を3時間見せるより、オブラートを全て取り去って、75分の悶絶パフォーマンスを見せるという潔さがすごい。観客に小手先の演技でなく、文字通り体を張って挑戦してくる。それが、意外にケレンに終わらず、じかに響いてくるものがあった。大音量の効果音やアクリル板を叩く大きな音もその点で効果があった。

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    2019/07/04 21:41

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