オフィス上の空プロデュース・トルツメの蜃気楼 公演情報 オフィス上の空「オフィス上の空プロデュース・トルツメの蜃気楼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    昔より格段に間口が広がった分、成功者になれる確率はずっと下がってしまったであろうアイドル界の現実。
    そういった事は重々承知していながらも、より輪郭をハッキリさせた厳しさで突き付けてくるのが さすが!でありました、松澤くれは作品。

    繰り広げられる沢山の「対話」、その一言一言は、持ち主の人間性を如実に表していて、それらの言葉達は時にはリアルな生活だったり無邪気な光であったり鋭いナイフになったり。
    ひとつでも台詞を聞き漏らすとストーリーから脱落する、などという心配は無いにも関わらず、必死で咀嚼咀嚼の観劇だったので終演後は結構クタクタ・・・良質なモノを食べまくり挙句お腹一杯になりすぎましたというのも随分な言い草ではありますが。

    オール女性キャストのみならず男性の影すらも極力排除したのには何か狙いが伺えますが、私的にはストイックな痛みがヒリついてくる、そんな印象を残す作品となりました。

    ネタバレBOX

    芸能界のみならず小さな編集プロダクションも中々に厳しい世界。
    楽な業界など滅多にないにしろ、自らの力、社員同志の力で切り開く事のできる部分には希望を見いだせます。

    いくら親友とはいえ他人の痛みを自分に取り込んでしまう主人公横井ユリ。
    思わず知人の女性を思い浮かべました。
    親友アヤの出逢いが無ければ全く違う人生を歩んでいたのではないかと思えますが、回り道も財産。
    終盤になってようやく本当の彼女らしい彼女自身の人生がスタートするのではないかと思えて救われます。
    主人公以外の登場人物にまで思いを馳せると・・・もう頭がパンクしそうです(笑)
    それだけ沢山の女性達が力強く舞台に息づいていました。

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    2019/06/22 01:41

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