チューボー ~SECOND HOUSE Ver~ 公演情報 SECOND HOUSE「チューボー ~SECOND HOUSE Ver~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     もろ厨房の話である。であるのに、オープニング早々、17年もコックをやってきた男が、デシャップの上にバッグを置くなんてことはあり得ない。彼の何を表そうとしたのか? 何れにせよ不徹底。気に入った役者さんは、服部役と子役の女の子。(追記2019..6.14)

    ネタバレBOX

    料理は人生と同じくらい奥が深い。その証拠といってはなんだが、英国にしろ米国にしろ戦争ばかりやりたがる国の料理は基本的にマズイ。人間の食い物とは思えないのだ。旨い食い物が世の中にはあることが、習慣として分かってしまうと誰も戦争なんぞやりたくないのは分かり切ったことだから。少なくとも近代国家以降、戦争ばかりやって人生を棒に振る国に旨いオリジナル料理など無いという偏見を自分は持っている。
     ところで今作では随所に様々な引用が、態々役者によって舞台コーナーで度々発語されるのだが、これはポピュリズムへの安易な逃避でしかあるまい。これでは脚本の質を自ら否定するようなものだ。何となれば、引用は余程大人になった表現者自身が自家薬篭中のものにしている場合以外、必ず内容との不自然な齟齬を生じるからである。引用として用いて齟齬が生じないのは、作り手の生き方そのものである場合とそれを目標として生きている場合であり、後者の場合は己が生きられるのはたった一つの生であることを知りぬいた場合のみである。こんなに様々な人々の引用ができるようでは、己の人生が真っ当できていないことを少なくとも自分の頭を使って考える習慣を持つ人間の前では告白しているに等しい。
     因みに服部役が何故自分の気に入ったかは、脚本も演技も服部という人物造形で嘘が無いからである。(無論舞台上で演じられるのは、ご当人とは直接関わらないかもしれない。然し、我らは実人生に於いても例えば父親、例えば母親、例えばサラリーマンや商売人、時に渡世人などを演じているに過ぎない。その意味では本質的な径庭は無いと言うこともできるのだ)その意味で職人気質のある種の職業人の真実を見事に描き、演じているからだ。
     子役の女の子については、大人と子供の差についての自分の考えを述べてから書くことにしたい。自分の勝手な定義では、大人とは、関係の只中で己を活かす術を持ち且つ実践できる人間を意味し、子供についてはそのノウハウを持たない者を意味するが、前者の武器は利害計算と自己制御、後者の武器は天真爛漫と自由である。そして天才とは、後者を60~70%、前者をその介添え役として按配され、結果世の中で己の自由を存分に活かしつつ社会契約許容内で人生を送れたラッキーフュウを言う。
     服部は料理人として天才的な人物である。従って自分は彼のキャラ評価については自分の定義のラストに近い所で評価している。一方、子役については、しっかりした賢い女の子を今の彼女の地続きで演じていればいいだけなので、決してちょっと褒められたからといって図に乗らないで欲しい。自分は若い頃から、子役、元子役で売れた人々(それもメジャー)と付き合いがあったので、図に乗った実際相当賢い人々がその後どうなったかを散々見てきている。どうか、本物の一流を生涯通す人々ほど、毎日が勉強で自分などはまだまだ、と心の底から考え、勉強し続けていることを知っておいて欲しい。無論、勉強といっても学校の教科書で学ぶような単純なものではない。日々を生きる中で人は、どのような時、どんな人々と会って、どんな会話を交わしたり、交わさなかったり、或いは会話の届かない距離に居て、内心何を考え、或いは企んでその時、その人自身の選択をしたのか? その結果どのようになったのか。結果から考えて、その人の選択は正しかったのか、自分に引き付けで考えるといったような勉強だ。

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    2019/06/13 13:03

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