満足度★★★★
蝶々夫人は一昨年も見たから2度目。ほかにMETのライブビューイングも見たことがあるし、あれも良かった。そうした蓄積もあって、今回はいままでになく余裕を持ってみることができた。音楽とドラマの緊密な結びつき、切ない場面、コミカルな場面、重厚な場面など変化に富んだ構成、メロディーを大事にする親しみやすい音楽、こうした多面的な聴きどころを堪能することができた。
蝶々さんが最後は自害する、その理由はどこにあるのか。自らの名誉を守る自立した女性なのか、愛を盲信した一種の狂気と絶望なのか、子供のために身を引く自己犠牲なのか。様々に解釈できるところが、何度も上演されるこの作品の魅力なのだと思った。