「ダルマdeシアター2019」 公演情報 チームホッシーナ「「ダルマdeシアター2019」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     トランプが来ているせいで、警察・機動隊がうじゃうじゃ湧いている真夏日、湿度が低いことと実力者揃いなのが救い。(華4つ☆)

    ネタバレBOX

     女性6名、男性1名の7名、病院などの慰労公演を目的に巡回興業を打つ為のオーディションを開こうとしている現場に集まった役者陣である。うち1名は裏長と呼ばれる主宰者。合否ジャッジは彼女が下す。
    オーディション会場は、もう雨上がりにはのそのそ蛙も出てきているであろう新宿中央公園脇のビル1Fの本物のクリニックだ。本物のクリニックが舞台として使われるから、演技の行われる場所は観客席の前と下手の狭い空間で、上手の床上2m程の所にスピーカーが設えられ、下手コーナーにコントロールスペースがあって、他が演技空間なのだが、オペなどにも使われそうな開閉式ドア付の部屋が演技空間の真後ろにあるので、役者の移動や出捌けの際の通路として極めて効果的に使われている。
     皆、歌・咄嗟のアドリブ、パフォーマンスが上手く、レベルの高い実力者揃いの上、上記で説明したような設定になっているので目の前で演じられていることが、フィクション内フィクションという通常のメタフィクションの作り方ではなく、観客との見る・見られる関係自体がメタ化されている点が面白い。
    ミュージカルで活躍している役者さんも多いので、様々なパロディーも埋め込まれているハズなのだが、自分は残念乍ら、それほど多くのミュージカルを拝見していないのでどの部分がどんな作品のどの部分に照応しているのかという点については良く分からない。ご勘弁願いたい。だが、実に軽やかで楽しい舞台であることは確かだ。
    出演者が実力者揃いであることは無論だが、構成、物語り展開の自然らしさ、脚本、演出。音響などの効果もグー。何より、華やかなミュージカルの舞台裏をオーディションという形で描くことでミュージカルスター達を身近な存在として表現している点が良い。
     残念なことは、これだけの実力者が、これだけ楽しい作品を作り、演じてくれてさえ、自分の憂き意が晴れないことである。この「国」が余りに異常な狂い方をしているが故に。死ぬ時に「長生きしすぎた」とは言いたくない者の一人としては。

    0

    2019/05/26 22:52

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大