ハムレット 公演情報 Bunkamura「ハムレット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    大きな流れは原作通りの正統派「ハムレット」である。どなたにもお勧め。

    1948年の映画ではローレンス・オリヴィエは41歳、1996年の映画ではケネス・ブラナーは35歳(で重めの化粧をしているの)でどちらも若者には全く見えない。クローディアスやガートルードと並ぶとまるで兄弟か恋人同士である。しかるに、本作の岡田将生さんは29歳で若々しく、私のイメージするハムレットにピッタリである。松雪泰子さん演じるガートルードは濃い目の老け化粧でギリギリ親子のバランスをとっていた。松雪さんの美しさが損なわれるのは残念だが致し方ない。岡田さんの悪(ワル)方向に寄せたセリフ回しは思わず笑みがこぼれてしまうくらい雰囲気を作っていた。また道化の要素を膨らませたポローニアスを演じた山崎一さんはやっぱり上手い。秋本奈緒美さん、出番は少なかったが、美しく声も通る。男装してホレイシオなんてのもありだったと思うのだが。

    ハムレットが「生きるべきか死ぬべきか」を言うのは塔に上ってである。そして首くくりの輪を作ってそこに頭を通すのだが見ていて心配になる。またレアチーズとのフェンシングの試合のシーンはかなり本気で、マスクを付けていないときにも手加減がなくこれもハラハラする。

    回り舞台によるスピーディーな場面転換は、暗転だらけでぶつ切りの小劇場演劇に続けて遭遇して演劇鑑賞意欲を失っていた私を大いに喜ばせてくれた。正統的な衣装の他に、ビジネススーツのポローニアス、パジャマ姿のローゼンスタンツとギルデンスターンなどの遊びも目に楽しい。

    唯一不満だったのが有名な俳優さんに比べてそうでない俳優さんのレベルが大きく落ちることである。私が知名度でしか評価できないということかも知れないが、彼らがフィーチャーされた場面になると急にたるんでしまう気がした。あといくらか多く払うからオールスターキャストにしてよと言いたい。

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    2019/05/26 12:39

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