改訂版「埒もなく汚れなく」 公演情報 オフィスコットーネ「改訂版「埒もなく汚れなく」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    孤高の劇作家・大竹野正則の評伝劇。天才は寡黙で正体がつかめないところが、天才だ。それを支える妻は、凡人ゆえに、身勝手が天才に振り回される悲哀を免れない。西尾友樹、占部房子の主演のお二人がよかった。とくに、夫婦げんかの場面。占部さんの悲痛な叫びは胸に刺さった。

    ネタバレBOX

    去年からオフィスコットーネの大竹野の芝居をいくつか見たが、いずれも大変ユニークで、面白い。趣向が破格で、人間を深く探っている。
    終演後のトークで聞いたが、大竹野は存命中、全く無名だったそうだ。平日は仕事があるから、芝居は週末三日間の5ステージくらい、動員数は150-300人だったそうだ。この戯曲の水準から見て、信じられない数字だ。それが死後、戯曲集が出版され、ぐんぐん評価を高め、東京でも上演され、評伝劇さえ作られた。

    大竹野は寡黙で一人になりたがったが、なぜかいつも周りに人が集まってきて、彼を支えていたそうだ。突然の海での遭難後も、その延長で、遺された人たちが大竹野の芝居を世に広めた。現代の石川啄木、宮沢賢治ではないだろうか。

    0

    2019/05/14 22:41

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大