天狗ON THE RADIO 公演情報 ものづくり計画「天狗ON THE RADIO」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    地方のFM局の在り方をテーマにし、そこに関わる人々の人間模様を面白可笑しく描いた物語。平成から令和への時代の移ろいもそれとなく感じさせる抒情性ある好公演だ。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台は天狗町(FM)ラジオ局内、上手にスタッフルーム、下手にスタジオ、下手2階部に別スペースを設け物語に空間的広がりを持たせる。セットはしっかり作り込んでおり、会場内に入ると一瞬にしてその場に引き込まれる。ラストはラジオの公開生放送という設定であるから、さしずめ観客は町民視聴者ということになるような。

    梗概は、天狗町にあるコミュニティラジオ局「てんぐFM」。平成6年に始まり地域住民に愛されてきたが、資金難などにより閉局が決定。しかし過疎化が進み娯楽の少ない町の人達にとって、「てんぐFM」はコミュニケーションツールであることから、局の人達は起死回生を狙い公開生放送をするという妙案を思いつく。そこで天狗町出身で東京で活躍している有名なラジオパソナリティーを迎えて…。

    冒頭、各地方大学の合否電報の文面を紹介する放送から始まる。もちろん”地方”というラジオ局をイメージさせるもの。放送エリア...けっしてマスメディアでは取り上げない地域密着メディアとして独自性を持った番組(地域の行政や地元情報)を発信をする。一方、賀間乳業のような出資者の意向も無視できない皮肉もチクリ。また天狗舞子などのボランティア(地元アイドル)?の活用など地方局ならではの特徴をさりげなく描く。そして防災・災害放送という重要な役割をラストの感動シーンへ繋げる。この多様・凝縮?した出来事と期間(平成31年3月22日~令和元年5月3日というわずか1カ月半程度)の緊密性が相まって面白く、そして考えさせる内容になっている。その展開の上手さは実に見事だ。
    地方(FM)ラジオ局の内実をしっかり伝え、そこにリアルとユーモアを交えたドラマを描く。その脚本・演出は秀逸だ。 以降は千穐楽後に追記。

    0

    2019/05/04 00:14

    1

    0

このページのQRコードです。

拡大