満足度★★★★★
みんなのへや・改
60分にシチュエーションコメディの技法
勘違い・すれ違い・シンクロ・ドタバタをギュッと詰め込んで異常進化した脚本はやはり凄いし面白い
ただ、期間の近い別座組での再演なのでどうしても比べながら見てしまう
妥協点P
これは良くできた戯曲だなと
構造と展開の面白さが抜群で役者さんの演り方によってだいぶ色が変わってきそう
「妥協」という言葉は良くない意味で使われがちだけど
この作品では本来の意味の「妥協」が示されていて
それでいてあくまで演劇としての面白さを答えにしてた
杏奈さんは「草苅事件」を経て貫禄がついたというかもう圧巻。何も言うことがないレベル
あとチカナガチサトさん、みんな一度この人を見るためにこの作品観に来ておいたほうが良いよマジで
本当に良い悪い顔(?)をするし、台詞がない時の存在感が半端ない
現実とフィクションというのがあって
演劇はそのどちらかに端が着いているのではなく
傾き方や混ざり具合によって様々な作品が出来上がっている気がして
この作品では宮武がフィクションを山縣先生が現実を表す存在となり
2人がぶつかりあい混ざり合うことで3人の先生も取り込まれた演劇が
行われる。そして5人で作るフィクションと現実の客席がぶつかって
また作品を生み出す入れ子の構造になる
現実の僕らが少しフィクションに歩み寄れば演劇が生まれる
僕らが現実にいる限り演劇はどこにでも現れる
夢のある話のようだけど、僕ら観客は演劇を見るために現実を生きなければいけない