紡ぐ。 公演情報 劇団ヨロタミ「紡ぐ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    グリーンフェスタ2019参加作品。
    「それぞれの人生が織りなす物語、の筈だった……。」という説明文にやられた。後日(4/8)、作・演出の坂本直季氏に詰め寄ったが、「筈だった...。」と書いてあったでしょ と切り返された。確かにそうだが、出だしは「舞台は北国の無人駅ー。」とあり、寂寥風景を想像した自分がヨロタミの人情劇にハマり先入観を持ったのが誤りだと気がついた。
    しかしね~、説明と真逆のような公演は…。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    セットは「北国の無人駅」の構内のようで、上手に出札口や時刻表、下手に駅舎窓や今は珍しい伝言板が掛けられている。客席寄りにベンチやストーブが置かれ、このセットだけを見れば”しっとりとした”物語が紡がれると思った。もっとも、伝言板にはヨロタミらしく忘れ物-結婚指輪、教科書一式などユーモアな一面も見られた。

    梗概…説明にある都会へと旅立つ若者、見送る父、救うことが出来なかった恋人、とあるがこれは芝居の稽古風景である。劇中劇として普段の稽古場の様子が面白可笑しく描かれる。劇中劇では俚言で話し、稽古中として見せる時には標準語?という台詞の切り替えは上手い。劇中のラーメン談や演奏(南井貴子サン)は場繋ぎか(失礼)。

    興味深かったのは、別所役(坂本サン)が本公演同様、演出家という役割だが、その演出手法が秀逸だ。劇団員1人ひとりの性格や特徴を捉え、その人物に合わせた演出で動かす。そこには演出家として役者をどう使い、どう芝居を観せるかという演劇(職業)人としての顔が見えてくる。これは会社等の組織でも同じで、人材を適材適所に配し働かせるということに通じる。だだ、演劇は役者の意見の取入れが多く、時として演出家の思惑を大きく逸脱することがあるようだ。稽古と素に戻った場面を交錯しながら、普段の劇団内の様子や事情を曝け出していく。その一例として、劇団員は生活のためアルバイト等をしており、稽古に来られない時があるという。これも坂本氏から聞いた話であるが、座長(寺林伸悟サン)は海外へ出る職業(自分も同様の資格を得ているが、まだ活用していない)だから、稽古期間中は代役を立てることが多いという。苦労の一端が窺える。

    さて、公演のジャンルは悲劇、喜劇、シリアス等、喧々諤々でその方向性が決まるのか?この公演は抒情的な物語から喜劇的な公演に変容させたような。当初の方向性(初めから喜劇か?)を劇中劇に追いやり、自分たちの日常をメインに据える、その自由度と発想の豊かさに感心させられる。今後も期待通りなのか、期待が良い意味で裏切られるのか、観届けたい。
    次回公演(第31回池袋演劇祭参加)も楽しみにしております。

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    2019/04/29 22:55

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  • タッキーさん
    いつも本当にありがとうございます!
    返信が今更になってしまい、すみませんm(__)m
    色々とあれですよね(^^;
    今後も良い意味で期待通りかつ、裏切ることも出来たらなとは思っておりますので、引き続き応援のほど、ヨロしくおタのミ申し上げますm(__)m

    2019/08/13 19:03

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