クレイジー☆ラブ 公演情報 enji「クレイジー☆ラブ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本公演のテーマは「愛」であるが、その描き方は”歪な愛”である。二転三転する展開でラストはサスペンス風な結末で印象付ける。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    舞台は2階建てのボロアパートというか診療施設であり、そこに住んでいる住人...犯罪者またはその予備軍の”歪な愛”を滑稽であり、時に悲哀を込めて描く。レンガ作りの2階建で1・2階にそれぞれ3室あり、2階中央の部屋が診療部屋のようである。上手奥に洗濯機、客席よりに花壇がある。下手には2階への外付け階段がある。またゴミ収集箱や空き缶入れの箱が置かれている。周りの風景は木の葉で囲われており、都会から隔離された場所をイメージさせる。
    ここに住む男女の性癖のようなものが”愛”と言えるのか、その治療法と心理的な理屈が面白可笑しく表される。

    純愛とストーカーの境界は何か?思い込みの度合いか行動性の違いか、その解釈は相手がどう感じ取るかという曖昧なもの。自分の気持の押し付けによってはストーカーとして訴えられ警察沙汰になる。この公演ではストーカーとして訴えられ、その性癖を治療するため強制的に引っ越しをさせられる男の無情と悲哀といったシーンから始まる。
    この男は、自分が悪いことをしているという自覚はなく相手の女性とは恋愛関係にあると主張するが、警察は認めない。この件は状況は違うが、誤認による痴漢行為=警察での取調べ・裁判になった映画「それでもボクはやってない」(周防正行監督)を連想させ、チクリと警察批判をしているようだ。

    この公演は、ストーカーと言われる人々を”治療施設”という一か所に集め、その人たちの典型的な思考と行動パターンを面白可笑しく観せる。それによって相手との恋愛が成り立っているのか、ストーカーなのかを観客に見極めさせているかのようだ。ストーカーの視点で描いていることから、何となくその気持に感情移入してしまう。相手がどう思っているかは描いておらず、欠落した描写ゆえにストーカーの強い思いが自由奔放に展開できている。

    さて、冒頭の男がストーカーだと決めつけ、心理学的な話と治療が必要な説明があったが、特に動物的な本能行動の制御の無さがストーカー行為を引き起こすと…。その説明とラストの心療内科助手の行動が解り難い。冒頭、男とその彼女を引き離し、その後その彼女を自分の好きな男に引き合わせ、さらにその男が自ら諦めるように仕向ける。その深謀遠慮の行動こそが、違う意味でのストーカー行為のようで、タイトル「クレイージー☆ラブ」そのもの。理屈を考えると表層のコメディタッチが活きてこないので、ここは観たままを受け入れたほうが面白い。そしてラストはサスペンス風の深(怖)い愛を思わせる、見事な幕切れであった。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/04/27 23:16

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  • ながいちゃ~ん 様

    見応えのある公演でした。
    次回作も楽しみにしております。

    2019/04/29 11:07

    ご来場ありがとうございました!

    2019/04/29 06:47

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