満足度★★★★
マイルドで小綺麗な桟敷童子(笑)
一言で言えば「マイルドで小綺麗な(あるいはアク抜きをした?(笑))桟敷童子」、客席の横の壁まで装飾されているようなことはなく舞台上だけにとどまっている装置からも予見できたように、一般的な芝居を装いながらも根底に流れるのは東憲司の得意とする「庶民の強さ」。
井上ひさし(の昭和庶民伝)とはまた違ったアプローチながら悲喜こもごもの庶民生活を描き、心の底に秘めた強さやバイタリティを見せてしめくくるのはこの人の真骨頂。(オープニングで主題歌を全員が歌うのも得意なパターン?)
※ 小奇麗に感じたのは桟敷童子の芝居よりも現代に近い60年代を思わせる頃が背景ということもあるか
また、ラストシーンの青空の美しさにはホロリ。
それにしても、中心となる2人の少年役がともに女子大生だったとはオドロキ。小柄だしヘアスタイルやメイクのためもあって、てっきり「子役を使うとは珍しい、でも演技巧いな~」などと思っていたのに…(笑)
特に学役の方はその表情なども桟敷っぽくて、いずれ桟敷童子の舞台でも観ることになるかも?などと思う。