コマギレ 公演情報 ラビット番長「コマギレ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    グリーンフェスタ2019  BASE THEATER賞受賞作品。
    この劇団の魅力、笑わせ泣かせるという人間の感情を揺さぶるのが上手い。将棋の世界を描いた過去の作品群とは少し趣が異なる。今まではプロ将棋の世界=男中心であったが、本作は女性棋士とその師匠対決がクライマックス。また今までは将棋の世界、その勝負の厳しさを中心に描いており社会性も垣間見えたが、本作では人間性に力点を置いたように思える。
    物語は劇場規模、舞台美術と相俟って分かり易く、人情味豊かに描かれた秀作。
    (上演時間2時間)【Bチーム】

    ネタバレBOX

    セットは二階部を設え、二階上手に対局室や小料理屋和室(障子)、下手に将棋解説用の大盤、一階はプロ棋士の将棋道場といった設定。BASE THEATERでは多くの場所を設定するよりは、本作のように道場と対局場という二元場面、現在と過去といった往還場面という緊密さをしっかり演出し物語が分かり易く展開したのが好かった。その意味で奇抜さよりは、万人受けするような しっかり観(魅)せる芝居に仕上がっていたと思う。

    梗概…女性で初めて四段に昇段してプロ棋士を目指す天野。一方、彼女の師匠である熊谷棋士は引退を迫られる状況にいる。この2人が主人公で現実の将棋世界でも師弟対決が話題になった。順風満帆と思われた彼女に異変が…。師匠は、何故プロ棋士になったのか、その生い立ち境遇を影絵仕立ての演出で情感豊かに描く。過去と現在を往還させ、将棋への思いや人の人情の有難さを身をもって知っていることから弟子育成にも情熱を傾ける。その2人が勝負の世界で生きる宿命から...。

    熊谷学を演じたのが劇団主宰の井保三兎氏、天野桂子を演じたのが雪島さら紗さんであり師弟の間柄である。そしてこの公演をもって彼女は退団することから、花道を用意したとも言える。本作での彼女は将棋盤に向かう目力、それは鬼気迫る迫力があった。そこに勝負師としての彼女がしっかり存在していた。一方、井保氏は包容力に溢れた演技で、こちらはいつも通りの人情味を醸し出していた。

    さて気になるのが、得意としている介護や将棋の世界を描き続けるのか、他の分野に転じるのか。同じ介護や将棋にしても、またその2つを絡めた公演もあった。何となくシリーズ化、マンネリ(同パターンでも映画「男はつらいよ」シリーズなど人気を博すことはよくある)という声があるのかどうか分からないが、いずれにしても素晴らしい芝居を上演し続けてほしい。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/04/08 23:51

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  • えざき 様
    「コマギレ」楽しく観劇させていただきました。
    えざきサンが出演したAチームを観られなかったのは残念ですが、それは次回のお楽しみにしておきます。
    さて、その次回作はどのようなテーマ、ジャンルで観せてくれるのか、大いに期待しております。やはり池袋演劇祭の参加作品になるのでしょうか(^.^)

    2019/04/23 22:36

    タッキー様
    「コマギレ」ご来場いただきありがとうございました。
    細かなご感想もとても嬉しいです!
    ラビット番長では介護や将棋のシリーズそしてまた別のジャンルも挑戦していきますので今後ともよろしくお願いいたします^ ^

    2019/04/23 21:11

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