満足度★
鑑賞日2019/04/03 (水) 19:30
座席1階A列17番
価格5,500円
IN EASY MOTIONは初見の劇団でした。
しかし、「BASED ON A TRUE STORY」「怪しの雨」、そして前回公演「半月」と、内容については不明なことが多いものの、フライヤーやタイトルなどから興味をそそられて、しばらく関心を寄せていた劇団でした。
今回もフライヤーとタイトル、そして『衝撃の結末』というキャッチに惹かれて、日程もよいことから観劇に至りました。なにせ35回の公演を開催させたということは、その実績からそれなりのものは十分期待できるだろうと。
チケットも5500円、新国立劇場小劇場並で、世田谷パブリックやKAATの公演と比べては高め。人気のオフィスコットーネやチョコレートケーキ、鵺的などより明らかに高い。
劇場を考えれば、自信と人気の裏打ちなのだろうと解釈しました。
確かに、舞台に登場する役者さんたちは総じて達者で、セリフを噛んだり戸惑ったりは一切なく、稽古の賜物と資質の高さを感じさせる舞台でした。(テレビ以外で初めて拝見したプリンプリンの田中さんは、その舞台歴に比して、かなりセリフが棒読みでしたけれど)
さて、ここからが問題です。脚本・演出を伊藤和重さん1人が担っているとなれば、この作品の失敗はほぼ伊藤さんの責任と言えます。この作品をサスペンスあるいはミステリーとするか、知的障害を持つ家族の物語をするかはともかく(あるいはその両方)、あまりに話が粗く、様々な伏線の回収がなされないまま、結果として各場面やセリフが宙に浮いたままで、けして衝撃的ではない結末を迎えます。
ちなみに、暴れる娘を刑事課長が抑える場面が、しばしばありますが、娘役の大串有希さんの方が、父親役の宮本大誠さんよりもずっと強そうです。