東京魔法少女図鑑 公演情報 東京スピカ「東京魔法少女図鑑」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    物語は端的に言えば勧善懲悪もののようで、最後は正義が勝つといった定番で、安心して観ていられる。何となく寓話的な感じが強いが、演出が昭和時代のアニメや映画等のパロディ、小ネタを入れ全体的にはマンガのような描き方で、強い主張(脚本)を緩い雰囲気(演出)で観せているといった印象。
    (上演時間1時間20分)【Bチーム】

    ネタバレBOX

    セットは中央に段差のある出入口、左右に折り畳みの衝立のようなもの(大きな屏風仕立て)。オープニングは物語で重要な役割を果たす小物...毛糸を束ね綱のようにし、それで主人公とその母を囲む。その構図は物語のテーマとも言える(心の)温かさ=毛糸、毛糸束の繋がり=絆を連想させる。物語の展開に応じて衝立が動き、不穏・不安な情景を表現する巧みな演出と舞台美術はよかった。

    梗概…芸能プロダクションの社長が地味で冴えない女子高生をスカウトする。スカウトされた少女の母は伝説のスーパー魔女っ子アイドルだった。二世魔女っ子アイドルとしてデビューする少女。しかし、正あれば邪があり、白に対し黒といった反対(または対)のものがある。そして黒魔術アイドルが世の中の不平不満や劣等感など人々の邪悪な感情を力とし人気を博し、一方魔女っ子アイドルは表舞台から姿を消す?

    物語は定法通りの展開で奇抜さはない。安心して観ていられるが、悪く言えば新鮮味がないということになる。善=正義、悪=更生させるといった結末で、全体的には寓話的な内容である。描き方(演出)はポップ調で、時に昭和時代の小ネタを入れる。例えば魔女と(喋る)黒ネコは、アニメ「魔女の宅急便」のパロディ、悪を懲らしめる箒による連射は「セイラー服と機関銃」の有名なシーンと台詞。

    人の心はいつも充たされているわけではなく、むしろ逆で不平不満による憎悪、邪悪な心情が芽生えやすい。それによって人間関係を悪化・崩壊させる。心の温かさと同時に移ろいというテーマ性を単純明快にして観せる。解り難いのは、ホームレスの父親の登場、叔母の関わりなど、主人公とのしっかりとした絡みが分かったような分からないような曖昧さが気になる。

    次回の公演も楽しみにしております。

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    2019/03/31 22:05

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