満足度★★★★★
初めてミセスフィクションズの作品を拝見させていただきました。
3時間弱という作品ということで、最初は身構えて拝見させていただきましたが、
小さなエピソードを数珠つなぎで紡いでいく構造で、非常にテンポが良い作品で
時間の長さを感じさせない作品でした。
我々の想像もつかなかった時間を、演者・観客とともに想像する。
その空間は、とてもスペシャルなものでした。
また、それぞれの登場人物もユニークなキャラクターが多く、岡野さんの微妙な感情の機微や
キャラクターの変遷を楽しく拝見させていただきました。
他に、コンプソンズ大宮二郎氏のエモーショナルに頼らない繊細な演技に身悶えし、東野良平氏の役を自分に引き寄せる手腕には脱帽しました。
これは個人的に連想したのですが、イングマール・ベルイマン『野ばら』や、藤子・F・不二雄『一千年後の再会』
を彷彿とし、また物語の作り方が劇団「地蔵中毒」さんと似ていることに気づいた。
この作品の根幹には、「人と人は出会わなければならない」という考えがベースとなっており、ミセスフィクションズさんの
祈りのようなものをこの作品を通して感じました。
次回公演もまた観劇させていただきたいと思います。