満足度★★★★
鑑賞日2019/03/28 (木) 19:00
SFといえば言えなくないけれど、それは執筆当時に核兵器がまだなかったということ。
クラカチット=核爆弾ということから、渦巻く陰謀、暗躍する組織、もたらされる世界の危機、主人公の運命やいかに!というサスペンスなんじゃないの。と思って観たが、これもけして的は得ず。
一言で言うと、「クラカチットを脇に配した好色一代男」かな。
確かに説明にあるように「大メロドラマ」です。
まあ、主人公プロコプの女好きは無類この上ない。随分、女性には奥手で、まともな恋愛などしたことがないと言っておきながら(ましてや、大学の同級生トメシュが女にもてると嫉妬する始末)、シュールの女に心奪われては、あらゆる苦難もなんのその、トメシュを探しにまいります。
実質トメシュは序盤で退場、むしろ彼がプロコプから聞き書きしたクラカチット製造法のメモ書きと残されたクラカチット自体が、物語を裏から表からぐいぐいと引っ張っていきます。その先々で出会う様々な女性。結局、手を出しちゃうんだものなあ。
それでも、変に甘ったるい雰囲気になったり、愛の苦悩に浸ることがないのは、そう、クラカチットが折に触れ、ドカーンとやってくれるからで、これがどうも心地よい。
まあ、これからも女性の間を飛び回るのでしょう。
カーソン役の公家義徳とデーモン役の松下重人が怪演、プロコプとの絡みは雨宮大夢をいじりまくって丁々発止。プロコプを引っ張りまわすこのお2人なくして、この芝居はあり得ない。
1つ質問です。誰か教えてください。
トメシュが躍るところや、プロコプがアンチに迫る場面などなど、舞台上2段目の下から出てくるキャベツたちは何を意味しているのでしょう。
原作にも、そのような場面があるのでしょうか。