満足度★★
原作に忠実なものを期待して行ったが3幕ものの第一幕が省略されいきなり第二幕から始まる(*)などカットの連続であった。それでも物語が破綻しないのは我々の頭の中に「ロボット」そして「ロボットの反乱」というもののイメージが出来上がっているからである。何か欠けているものがあったとしても脳内で補間されてしまう。もっともチャペックのロボットは鉄腕アトム的な機械ではなくて化学とかバイオ的に作られるものなのだが、この舞台ではそのことも分からないと思う。
観る前に、ウィキペディアの「R.U.R.」の「物語」のところを読むことをお勧めしたい。また、青空文庫には英語版からの翻訳がある。
「追記」上記(*)は青空文庫、ウィキペディアに従った。岩波文庫(原書(チェコ語)からの翻訳)に従えば「序幕+3幕ものの序幕が省略されいきなり第一幕から始まる」となる。序幕といっても岩波文庫では全192頁中50頁もある。
岩波文庫 青空文庫/ウィキペディア 対応表
序幕の部屋内のポスター 幕前/序幕:会社宣伝の短いナレーション
序幕 第一幕
第一幕 第二幕/第二幕前半
第二幕 第三幕/第二幕後半
第三幕 終幕/第三幕
(第三幕の最後) (終幕の最後)/エピローグ
なお、英語版Wikipediaでは幕前なしの青空文庫と同じである。
この辺の内容の違いは岩波文庫のあとがきにあるように1920年の初版に翌年かなり手を入れた第二版が出されたことと青空文庫のあとがきにあるように英語版独自の内容の選択があったことによるのだろう。