新・ワーグナー家の女 公演情報 劇団 新人会「新・ワーグナー家の女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    戦後もナチス協力を反省しない母(大ワーグナーの息子の妻・ヴィニフレッド・ワーグナー)と、亡命してナチス批判を展開した娘フリーデリント・ワーグナー(愛称マウジ=ハツカネズミ)の対話劇。予備審問の場の米軍人たちが、場面場面で役を変えながら、コロスの役割をする。ほぼ二人の回想の語りで終始するが、なんといっても素材となった歴史と人間関係が劇的だし、ワーグナーという偉大な芸術家の一族への興味もあって面白く見られた。
    後半、ガス室で死んだユダヤ人たちをコロスたちの群舞で見せる。少し長すぎる気もするが、悶え、あがき、脱出を求めながら死んでいく姿が、セリフの裏の悲劇を語っていた。
    また、作者福田善之は、日本の朝鮮人迫害にもきちんと触れ、それは朝鮮装束の男の悲しい踊りで示した。ただの海の向こうの話にしていない。ほかにも過去の話にしてはいけないという意識が随所に見られた。休憩なし1時間50分

    ネタバレBOX

    娘マウジの最後のセリフ「やはり言っておかなければならない。私はリヒャルト・ワーグナーの音楽を愛している。しかし、もう一方で、ワーグナーのように巨大でも医大でもない、多くは心貧しく不幸な人びと運命を思う。私もその一人なのだから」がよかった。心貧しい不幸な人間の一人である私のことを、優しく認めてもらえた気がした。

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    2019/03/24 08:18

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