満足度★★★★★
桁違いの衝撃、まるで全身に電流が駆け巡った様。
おかげで終演後、ず~っと痺れた状態から抜ける事ができず困った事になりました。
脚本(翻訳)と演出に演技、さらには美術・音響・照明、もう全ての優れた歯車が見事に合致した公演。その歯車達の回転がもたらす感動たるや!
演劇にハマった人には、きっときっかけとなる作品が存在すると思うのですが、とても言葉では言い表せない、その空間、その時間でしか得られない生々しい感動・・・突き抜けた感動がそこにはありました。
5人の登場人物に命が吹き込まれる序盤、だらしない家庭の中でおぞましい駆け引きの火蓋が切られ、事態がどう転がっていくのかどうにも目が釘付けの前半。
休憩を挟んだ後半、プロが全身全霊で挑む怒涛の展開にもう完全ノックアウト状態です。
暴力的表現が苦手な方には不向きかとも思えますが、そういう自分も暴力は大嫌いですし、もし必要とは思えない暴力的シーンがあれば嫌悪感を抱くでしょう。
しかし人生崖っぷちの人間や殺し屋という特殊な人間をしっかり描き切った作品の前では嫌悪感など全く感じませんでした。