満足度★★★★★
猩獣、初回3/21 16時の回を観てきました。
初演を劇場で観てからワードレスシリーズの作品をいくつも観ましたが、1番好きな作品は猩獣で、いつか再演しないか、と心待ちにしていました。
そこで主役に抜擢された岡村圭輔さん。
発表されてから期待しかなく(本人はプレッシャーだったでしょうが)、その期待をポーーーーン!!と飛び越えて、最高の九郎を演じられていました。
ヘロヘロになっていく姿にのめり込んで魅入って、いつしか「頑張れーーー!!いけーーー!!」と心の中で大声援を贈っていました。
幼馴染の5人は主役の岡村さんの他に劇団員 井立天さん、湯浅春枝さんも難しい殺陣にチャレンジし、物語の厚みを増す演技をされていた。岡村さんと井立さんの2面殺陣は最高によかった。湯浅さんの表情や身体の細かな動き、永谷園での登場シーンなど小さい身体なのに存在感抜群でした。客演の、南ななこさんは表情豊かに愛溢れる姿が魅力的。上枝恵美加さんは稽古日数あれだけでこんなことまでしちゃうの??すごーーーい!な上枝ターンでした!時折見せるニッコリ笑顔がとってもキュートでした。
悪役四天王とボスも最高でした。
丸山真輝さんにしかできない、憎っっったらしいボスがはまり役。山本貴大さんの長槍めっちゃ軽いんじゃないかと思うくらいにひょいひょい振り回してるところや行進が本当にかっこよかった。こういう役をやる時の凄味が山本さんの魅力だなぁと再認識した役柄でした。この役は高安智美さんしかいない!異様な狂気に満ちた布を操る姿は圧巻でした。
客演の吉田青弘さんは初演でのスピード感ある殺陣がすごかったが、再演では梯子を使いあらゆる物を飛び越える跳躍力に度肝を抜かれた。梯子をあんなに巧みに使いこなすとは...。同じく客演の赤星マサノリさんも初演で圧倒的な強さで観る者を湧かせたが、再演では舞台を縦横無尽に駆け回りながら追い詰めていく姿からの赤星さんターンの結末までの流れが心地よかった。
猩獣役の竹村さんはさすが!の一言。心地よい獣感でございました。
そしてこのメインキャストを支え続けるアクションモブの皆さん。色んな役を演じながら黒子役も完璧にこなす姿が素晴らしかった。
衣装や小道具はもちろん、音響、照明、舞台美術すべてがこの作品が最高な要素のひとつだった。
再演を観て、更に猩獣が大好きになりました。
そして何より。
今回の公演を観て、劇団壱劇屋という劇団の基盤の強さを感じた。
再演版には昔からの劇団員は3名しか参加していない。主役は2年前に入団したばかり。アクションモブは劇団員のみで、昨年入団した劇団員多数。
ゲストさんの力を借りつつ、劇団若手組で舞台を魅せて、期待を超える素晴らしい公演だったこと。
劇団力に感服しました。
あと3日。
今日はお席がまだまだ空いているそうなので、お時間合う方にはぜひ観に行っていただきたいです。
映像化がないのは勿論のこと、舞台はやっぱり劇場で観るのが1番です。特に猩獣は体感型演劇ですから、ぜひぜひ劇場でナマのライブ感を体感ください。