母と惑星について、および自転する女たちの記録 公演情報 パルコ・プロデュース「母と惑星について、および自転する女たちの記録」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    一言では言いがたい、重くて凄みのある芝居だった。笑えるところもあり、特に鈴木杏が演じた次女のあっけらかんとしたキャラクターは、救いでもある。自分本位で自堕落で、褒められるところの一つもない母。男に頼るしか生きる道はなく、思いを満たすためには娘をも足蹴にする。その母を否定しながら、母の呪縛から逃れられない娘たち。それぞれが心の奥底に沈殿した思いをぶちまけ、ようやく3人は母の呪縛から解き放たれる。田畑智子がしっかり者のようでいて、抜けたところのある長女を好演。三助役の芳根京子も屈折した思いを丁寧に表現していた。なんといっても凄みがあったのは、母を演じたキムラ緑子だ。立ち姿一つで、やさぐれた中年女性を表現している。先がない切迫感が、滑稽でもの悲しい。若さへの妬み。飛びたくても飛べないジレンマ。蓬莱竜太の脚本は、人間の心の奥底を覗き込むようで、ちょっと怖くもある。

    ネタバレBOX

    舞台が長崎であることにも意味があるのだろう。母親もそのまた母親も、不幸の始まりは原爆なのだと思う。三女が身ごもっていると知った時、母は言う。「産め!」。母親にとって、娘たちは単なる重しに過ぎなかったのか。生きるよすがでもあったのではないか。「産め」の言葉の裏にある思いがなんだったのか、今も考え続けている。

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    2019/03/21 01:26

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