アルカリ 公演情報 壁ノ花団「アルカリ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    解放されない者たちの闇は続く
    想像通りに、重いし、暗いし
    でも観るのが辛いわけではない。

    何かから解放されない者(あるいは自らを解放しない者)たちの話。
    だけど、もう一歩物語に踏み込むための(確実なる)糸口が見つからなかった。

    役者はみんなうまくて、惹き付けるものがあるし、闇の深さや鞄が落とされる音がドキッとしたりして、効果的だったりするのだけれど。

    で、この場合のアルカリって何?

    ネタバレBOX

    第二次世界大戦中、東欧にあったドイツの収容所にまつわる話かと思えば、いきなり会話の中にデュラエモン(またはドゥラエモン:たぶん青いネコのようなモノで、お腹にポケットが付いているキャラクター)の登場でちょっと足下が揺らぐ。

    闇と散乱する鞄、残された(元)子どもたち、収容所の解放から半年気を失っていたという非現実的な女、そして二階に潜む男、そんな収容所から解放されたはずなのに、自らの呪縛によって、解放され(たく)ない者たちが、自分自身の呪縛に落ち込んでいく。
    収容所の枠を借りてそんな人々を描きたかったのだろうか。

    なんとなく、MONOの「床の下のほら吹き男」のほら吹き男(作・演出の水沼健さんが演じていた)が体現していたような、「くすぐり」みたいなものがある不気味さが、舞台全体に極大化したような印象を受けた。
    床下ならぬ、二階に潜む男がいたからかも。

    しかし、収容所にいた者が太っているのはOKなのかな。

    2

    2009/03/30 03:35

    0

    0

  • コメントありがとうございます。

    なるほど、「灰」ならば納得度は高いです。しかし、「アルカリ」→「灰」(語源)だと舞台の内容まで、ちょっと遠いですね(笑)。


    「太っていた」は冗談なんですが、すでに死んでいるというのは、その通りだと思いました。だから「非現実的」と書いたのです。女は、自分の台詞にあったように、雪の下にいるという様子をあのときの白い何かで表していたのだろうと。


    もっと言えば、全員すでに死んでいるのではないか、と思ったのです。
    つまり、(元)子どもの口から出た焼却炉の存在が、収容所がいわゆる絶滅収容所であって、当然子どもは生き残れるはずはなかったからです(ザクセンハウゼンは絶滅収容所ではなかったようですが)。
    誰にでも見えるわけではない2階に潜む男も生死は微妙です。


    そして、散乱する鞄は、収容所につれてこられた者から奪われたものの象徴で、女は奪われた教師だった自分を、子どもたちは奪われた親を取り戻しに来ているのではないかと思ったのです。

    ちなみに、ひなつさんのお書きになった「ザクセンハウゼン」を調べてみると、各収容所からの金品が集められる保管庫があったようですね。

    それにしても、デュラエモン・・・。

    2009/04/01 03:52

    アルカリ、自分も観ているときにはわからなかったので、少し調べてみた結果、パンフに、ザクセンハウゼン旧収容所を訪問した体験がもとになっているとあったので、語源であるアラビア語の「灰」という意味だったのかなあ、なんてあたりに着地してみましたけど、どうでしょうか?

    そうすることで、収容所にいたという女はすでに死者である、被せられた灰は現在の彼女の姿で、太っていたのは生前なのでOK、みたいな流れは作れそうですけどw

    2009/03/31 20:44

このページのQRコードです。

拡大