THE Negotiation 公演情報 T-works「THE Negotiation」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/03/13 (水) 19:00

    東京初演を拝見。
    大阪での公演後だったので、芝居もよく練られていて観ている分にもスムーズな進行が心地よい。
    (多少噛んだのは、東京初日の緊張感?)

    さて、フライヤーの渋めの色調、あまり説明文をきちんと読まなかったので、ちょっとした心理劇かと思っていたのだけれど、心理劇には違いないものの立派なコメディー。それもセリフと行動と間で笑わせるバランスの良い上質品だ。

    まず、開幕直後から気付くのが、完全な日本語オリジナルなのに、海外の現代演劇を模するような作りをしていること。場所はトゥイッケナムホテル(イギリスだよね)、登場人物が全て外人名であるだけではなく、海外翻訳劇によくある口調まで意識している。例えば、アリソン(山﨑和佳奈)のセリフに頻繁に出てくる語尾の「・・・わ」。
    通常、「・・・でしょう」「・・・ですよね」と言えばよいところを「・・・ですわ」という言い回しをする。(これ、古典劇に多いのだけれど、何でかな?)
    アリソンとアレックスの、いかにもな世間話を含んだフレンドリーな挨拶なんかも、どうも日本人感覚としては変なのだけれど、これも意識的なのだろう。
    そう、もうここから自然とおかしみを醸し出している。

    さて、気になるのは何の交渉かということ。
    どうやら、アレックスが社長を務める会社とアリソンがCEOを務める会社が合併するらしい。おおよその条件では折り合ったのだけれど、1つだけ双方譲れないことがあるらしい。アレックスと秘書ドナーは、重役にも伏せてこの交渉に臨み、アリソンとCOOのウォーレンは交渉に破れれば辞職覚悟で臨んでいる。
    さて、その交渉内容とは、、、、って、え、そんなことなの!!!(いやあ、確かに大事なことかもしれないけれどさあ)

    もちろん、この交渉内容だけで2時間近い芝居を持たせられるわけはなく、交渉は紆余曲折、あらぬ方向にいったり、本末転倒したり。

    ホテルのフロアマネージャーを演じるボブ・マーサムのとぼけた演技と仕草も軽妙でおかしい。

    作・演出の村角太洋さんが、この作品大好きなのよく判るわ。



    ネタバレBOX

    ただ不満が2つ。
    1つは、アリソンがドナーにホテルのバーで、他社との合併を約した契約についての真贋を訪ねる場面。確かにアリソンは契約書とは一言も言っていないので、ドナーが勘違いして「それは嘘です」というまではよいのだが、その勘違いの内容が、彼女がウォーレンをハニートラップしようということだというのは苦しい。
    ドナーないしアリソンの勘違いにはなっているかもしれないけれど、嘘になっていないので。もっと、適確な返しが欲しかった。

    もう1つは、ラストに社名を変えるということで同意する場面の後、「スティーブン&ロバートソン」と、ちょっと問題ありのホテルの従業員の名前を組み合わせてた会社名を考えるのだけれど、なんでわざわざ「&」入れるかな。もう少し洒落た、落ちの着く名前にして欲しいなあ。

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    2019/03/14 08:39

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