満足度★★★★
よく練られた脚本、これは面白い。エスプリの効いたフランス喜劇。前半は丁寧なキャラクター設定の解説。後半はその応用が細かく複雑に絡み合ってハイテンポの交響楽に。強迫性神経症の患者六人が医師の到着までの間、お互いの病状について語り合う。細かい約束事がラリーの応酬のように見事に展開。会場の笑いをかっさらったのは、同じ事を二度繰り返して言う強迫観念の女役、井上薫さん。何となくNOKKOを思わせる彼女が観客を爆笑の渦に叩き込む。潔癖症の山崎美貴さん、心配性の中村まり子さんも秀逸。もう一度観て細かい笑いを確認したい程。ルー大柴氏のパブリック・イメージでこれを見逃すと後悔する作品。