人魚のウタ 公演情報 ガンガンガング「人魚のウタ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     舞台美術がちょっと変わっている。(華4つ☆)

    ネタバレBOX

    天井から床までロープが下りている箇所が板中央の奥と手前に各1カ所、その間に短いものが2カ所、丁度天井から3分の1程の所にカラビナが付けてある。このようなロープが、センターから等距離の位置に都合4本ずつ下がっており、構造は中央の長いロープと同じだ。客席に対向する三方の壁には、矢張り天井からロープを下げ床から1m程の高さまで不揃いに下がっているのは、まるで海底の岩礁から伸びている海藻のようだ。人魚がタイトルに入っているから、これは天井部分が海面かも知れないが、では人間が出てくる場面では、どうなるのだろう等とぼんやり考えながら開演を待っていたが、客席最前列の下手出捌けの布の地は青、その上に重ねてある布は、網のような布で色も漁に使う甲殻類の殻のような色である。
    幕が開くと、内容的には、人魚をダシに、鵺社会で起こる支配・被支配の構造と固定化、それを許す因習と権威、そして実際には支配層より優秀で知恵の働く下層民の行動様式が描かれていたので、話としては可也興味深い作品だったのだが、支配層の無能にも拘わらず為政者として振る舞う滑稽と被支配層の有能とその惨めさをもう少しリアルな対比で描き且つ役者の身体から滲み出るアトモスフィアで膨らみを持たせることができるようになれば更に良くなろう。可也ポテンシャルは高そうなグループなので、もう一段高度な段階を期待したい。
    終演後、今回振り付けをやってくれたグループがダンスを披露してくれたのだが、スタイリッシュで切れのあるダンスであるのみならず、何よりダンサー自身踊りを好きなことが伝わってくるような良い踊りであった。無論、振り付けも気の利いた洒落たものであったし、ラストから2番目に踊ったダンスでは顔の下半分を黒い布で覆って内面が最も良く出る目だけ出し身体表現を強調。タイツとブラと背の紐も黒で統一しつつ、背の紐だけは若干異なるものも用いて個性も出し、腕など露出部分で自分達女性の肌の白さを照明で強調した演出にしていたのもお洒落。

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    2019/03/03 11:53

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