満足度★★★★
老夫婦の漫才、若手の漫才、落語、若い女性の音曲の4つの演目から成る慰問団が中国大陸に展開する日本軍の部隊を訪問して回るお話である。時期は昭和16年の2月から10月、劇中でも日米開戦も近いと語らせている。
老夫婦を演ずるのは村井國夫さんと柴田理恵さん。ところどころに演目のダイジェストが挿入されるがほとんどは楽屋などでの6人の会話である。村井さんと柴田さんは本物の夫婦漫才師にしか見えない。村井さんは当然として柴田さんがこんなにも説得力のある演技をなさる方だとは知らなかった。他人を思いやる当たり前の言葉が深く心にしみる。
いろいろな観方はあるだろうが、私はこういう時代があってこのように生きていた人々がいたということをしみじみと楽しんだ。
会場は平均年齢65歳以上だろうか。満席とはいかないのが少しもったいない。