怪童 公演情報 劇団献身「怪童」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ■約120分■
    極めて特異な幼年期を過ごした女の一代記。劇構成を緻密に作り込んでから書き始めたのだとしたら申し訳ないが、脚本が行き当たりばったりで成り行き任せな印象。継起する出来事が強い必然性では結ばれておらず、出来事を並べただけのストーリーは客を前のめりにさせるだけの吸引力がない。着地のさせ方が上手いために、エンディングではいい劇を観たような気分に危うくなりかけたが、全体の構成はやっぱり魅力に欠け、途中からダレてしまった。
    コメディを謳っている割にギャグもいまひとつ。無理やりひねり出したようなギャグや飛び道具的な笑いが目立ち、さらなる精進を期待したいところ。
    ただ、さそうあきらの漫画に出てくるような、腕白女子というか、自然児のようなヒロインは魅力的。演じ手の女優のサッパリとして快活な演技が、役にさらなる生彩を与えていた。

    ネタバレBOX

    親に捨てられヒッピーのおじさんに山奥で育てられる。ひょんなことから自分とおじさん以外の人間と出会って学校に入り、社会を知る。お笑い芸人を目指して上京し、売れる。結婚して子供を産み、芸能界から遠ざかってフツーの主婦として過ごす。家族を捨てて家出し、登山家の弟子となって世界中の山に登る。故郷の山に帰る。
    …というのが大まかなストーリー。
    芸人を目指して上京するあたりから、ヒロインの行動に大した必然性がなくなり、そのあたりから退屈してしまった。要するに、物語がエピソードのつぎはぎに終わってしまっており、有機的に作られていないのだ。
    芸人志望の親友に感化された、というのが芸人を目指した理由であり、そこには必然性があるとも言えるが、本作はヒロイン・ユリカの一代記、ユリカが芸人を志した“内的動機”も併せて示してほしかったところ。

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    2019/02/11 08:29

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