桜のその薗 公演情報 はえぎわ「桜のその薗」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ■約100分■
    私がはえぎわを観るようになったのは、主宰が岸田戯曲賞を獲り定評を得て以後。それ以前は舞台上でハダカになったり、かなりえげつない作風だったと聞くが、結成20周年の節目を迎えて初心に帰ろうと思ったのか、プチ先祖返りしたかのような一作。ハダカこそないものの、近年のはえぎわ作品の中では一番と言っていいほどエグ味が強く、不幸な人々の小さな幸せを淡いタッチで描いたこの数年の諸作品に惹かれる私の趣味には残念ながら合わなかったが、ひと工夫もふた工夫もある劇構造にべらぼうな吸引力があり、最後まで面白く観られました。

    ネタバレBOX

    はえぎわのパラレルヒストリーを描いたかのような、偽史的演劇作品。はえぎわと違ってすでに解散してバラバラになり、元主宰だけが劇作家として演劇に関わり続けている劇団の、解散後の冷ややかかつ惨い物語が劇団の元女優の視点で描かれるのだが、その女優自身は物語に登場しないという劇構造が面白い効果を生んで、最後まで飽かず観られた。語り部をつとめるその女優に、彼女が出会って間もない女優志望の若い娘をオーバーラップさせる趣向も、作品の妙味を倍加。

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    2019/02/03 22:43

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