満足度★★★★
舞台上のほとんどはお金持ちの応接間であって、下手端に貧乏画家の3畳間がある。この金ぴかの応接間は調度品もしっかりしていて大変力が入っている。オープニングのシャンパンタワーのプチ・イリュージョンも素晴らしい。一瞬のことに膨大な努力をするって痺れる。
ストーリーの全体はあまりピンと来なかった。お金持ちのパーティーなのにホスト一家3人以外は全員貧乏なので話がみみっちい。せめてお金持ちを装っていることにしてくれないと豪華な設定の意味がない。一方で貧乏画家は「貧すれば鈍する」の見本のようであって観ていて楽しい。しかし彼はお金を何に使っていたのだろう。画材なら彼女に内緒にする必要はないと思うのだが。
この舞台の素晴らしいところは個々のキャラである。多様な愛すべき人物が書き分け演じ分けられている。ストーリーから何かを得ようとせず、そのときそのときの小さな笑いに身を任せているのが良いだろう。
2019/02/06 06:51