本能寺夢絵巻 慚愧伝 公演情報 夢劇「本能寺夢絵巻 慚愧伝」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    この物語は”夢物語”でもあり、それを慚愧と捉えるか。 そうであれば、自分などは慚愧に堪えないことが多すぎて…。
    この劇団は未見であり、当然、戦国三部作はこの「本能寺の変」だけを観劇した。その印象は表層の事象は史実通説として描き、「本能寺の変」の謎を異聞として独自解釈し展開する。その発想、視点が面白い。
    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、二段構造で上段が(回)廊下、真ん中に階段を設え、後景は障子という和風作り。客席寄りは空間を作り中庭イメージであるが、もちろん殺陣アクションのスペースを確保するもの。

    梗概…謎の人物が老人に向かって「本能寺の変」を回想して聞かせるという展開。
    表層史実は、劇はもちろん小説・映画などで描かれる「本能寺の変」であるが、サブタイトルにある”本能寺夢絵巻”がこの公演の見所を支えている。信長・秀吉・光秀という三者三様の夢、そして夢かどうかは別にして成し遂げたいこと。その実現に向かって戦いを挑む。その果てを「本能寺の変」に帰結させる発想は面白く、それを迫真の演技で観せる。展開は、序盤が少し冗長に思えたが、後半になるにつれて引き込まれる。

    戦国時代=殺戮の繰り返し。その怨嗟を断ち切るという壮大な夢物語。信長は武力をもって「天下布武」。「武」には「争いや戦いを止める」という意があり「七徳の武」…暴を禁じる 戦をやめる 民を安んじる 財を豊かにする等があるらしい。それを光秀の台詞として説明する。秀吉は出身から広大な土地を持ち、飢えを無くしたい、光秀は戦乱なき静かな世。信長近習の森蘭丸が思う、先の3人とは違う天下国家感の夢よりもう少し卑近な夢(叶えたいこと)?がこの「本能寺の変」の異聞。同時に具体的な夢が描き切れない光秀の苦悩が、現代日本の閉塞感ある状況下に通じるようでもあるが…。

    夢は、信長正室・帰蝶が子を産めないことの苦悩への回答として、信長が一緒に夢適え育てていこうと諭す。信長の気性の荒さと優しさ、秀吉の機転と狡猾さ、光秀の実直さなど人物描写も上手い。演技(殺陣アクション含む)、照明(障子の影姿も)、音響(和太鼓等の生演奏)など、観(魅)せようと工夫しているところは好感が持てる。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/01/27 08:04

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