わが家の最終的解決(再演) 公演情報 Aga-risk Entertainment「わが家の最終的解決(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    扱いの難しい題材をコメディーにしようとする度胸・自信に驚き、実際に完成させてしまう力量に感嘆してしまう。しかし世代なのか私の性格なのかこういうテーマには身を正してしまって笑いは控えめになった。

    アガリスクも4回目でファミリーも含めた出演者の見分けが容易にできるようになったせいか(内容よりも)各役者さんの演技が印象に残ったので簡単に記しておく。初回のせいか何人もセリフを噛んでいたのがちょっと意外だった。

    ネタバレBOX

    淺越岳人 「卒業式、実行」では変なOB役でピンとこなかったが、今回ようやく良さがわかった。どんな場面にもスッと入り込むが去った後に影響を残さないという特殊能力。

    榎並夕起 浅草の「ナイゲン」ではほとんど存在感のない役で、「卒業式、実行」で燃え尽きた後の充電期間と思われた。今回は出番も多かったが、正統派美人女優は曲者揃いのアガリスクではまだまだ平凡に見えてしまう。私のイメージはリア王の三女コーディリアあたりがピッタリ。ついでに長女=鹿島、次女=熊谷、リア王=藤田のアガリスク版「リア王」なんてのが頭に浮かんだ。

    鹿島ゆきこ 主人公の姉。美しく冷静なスパイスを効かせる。

    熊谷有芳 最近続いていた中性的な役からフェミニンな魅力を発散するヒロイン役である。お顔もなんとなくふくよかになったような。

    津和野諒 ブチ切れ芸は控え目でキモさに徹していた。背中を極端に曲げたときの姿がマンガ的で記憶に残る。

    前田友里子 「ナイゲン」の冷静な監査役とは打って変わって、お節介で噂好きの主婦を生き生きと熱演。実写版サザエさんも行けそうだし、ジャパネット・タカタのCMなんかもピッタリ。

    矢吹ジャンプ どっしりと落ち着いた執事役がはまっている。大千秋楽にはフォローのセリフがジャストタイミングで決まっていた。

    伊藤圭太 理由も分からずひどい扱いを受ける、そんな役回りがうまい。ああ、また「そして怒涛の伏線回収」の長台詞が聞きたい。

    前田綾香 明るい良い人だけどすっとぼけたお母さん。悪役も観たいなあ。

    山岡三四郎 頭が固くて小心な不動産屋。最後に意外で思い切った発言をして観客も含めた全員を驚かせる。

    山田健太郎 気の良い隣家のご主人。うまいものだ。

    高木健 ゲシュタポとか憲兵とか応援団とかをやらせると日本一。役に合わせて優しさを出すためか髭を剃っていた。

    斉藤コータ 気の弱いゲシュタポ。頼りない主人公を好演。

    藤田慶輔 「卒業式、実行」では校長で今回は厳格な父親、ハマり役だ。全体をびしっと締める。

    中田顕史郎 大千秋楽には部屋を出るときに小さく例の「考えてみよう」を言っていた。初日も言っていたのかなあ?ルドルフをからかう場面もパワーアップしていた気がする。

    甲田守 「卒業式、実行」の卒業生代表。前回に続いて主人公ハンス役のはずだったが事情により降板した。アガリスクのHPにおける彼のレポートを読むとホロコーストについて深く勉強し、ゲシュタポになるために「強靭な肉体」を作ろうと思っているとも書いている。交代した斉藤コータさんとは真逆の方向である。この辺で意見の食い違いがあったのだろうか。以上は完全な私の憶測。

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    2019/01/26 15:42

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