「幸福の黄色い放課後」 公演情報 オフィス上の空「「幸福の黄色い放課後」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    高校の放課後という限られた場所と時間に関わらず、いつの時代にも見られる普遍的な青春の1ページが刻み込まれている。「観たい!」にも書いたが昭和時代に青春期を過ごした自分でさえ、あぁそんな会話をしたなと懐かしく思える物語。
    (上演時間1時間30分) 【3-B初日】

    ネタバレBOX

    舞台セットは一段高くした場所を教室内に観たて、椅子背もたれを客席に向け教室後方から眺める感じ。周りは回廊形式で校外をイメージさせ、その外周は昔の板塀を思わせる。

    物語は高校の放課後に交わされる会話。教室内はいくつかのグループで談笑している光景。文化祭や体育祭など行事絡みのイベントでなければ全員で話し合うことはないだろう。その意味で2~3人で話す光景はリアル。チャイムが鳴り、シーンが変わるが、それぞれに章立てサブタイトルがある。
    始めは、教室内の後ろから眺めているが、いつの間にか180度転換し教室前からの光景になる。同じ教室内の会話が観点を変えることで違って観える。後ろからでは分からない光景、例えば会話に加わらない人物。友人の会話に関心があるのか無いのか、読書をして無関心を装っている姿が浮き上がってくる。

    さらに時代設定の曖昧さ。いやスマートフォンが用いられているから現代であるが、ノストラダムスや震災(阪神淡路大震災、東日本大震災など)の台詞が聞かれるが、時代背景を鮮明にしないように思える。それは時代を越えて、ある意味普遍的な高校の放課後光景を連想させようとしているのではないか。授業から解放され、自由な時間・関心の話題、そこには何処にでも居そうな典型的な高校生像が立ち上がってくる。その姿は世代を越え、ある郷愁を誘うことで、観客を物語のいずれかの人物に同化させ感情移入してくる。

    他愛ない話題…DV彼氏の話と同情・憤慨する友人、髪型(パーマや前髪切り過ぎ)とそれを揶揄う友人、才能ある友人と自分の比較、そして恋愛と嫉妬話など今でも交わされる話題だと思う。また学校に来ずバイトに精を出さざる得ない学生など、取り留めもない話、日常繰り返される、何の変哲もない情景に生きている実感が湧く。それを役者が生き活きと演じる。生命を宿し、教室内をダンスするシーンはまさに未来に向かっている姿のようだ。
    次回公演を楽しみにしております。

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    2019/01/24 12:29

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