満足度★★★
初めて「素劇」を見ました。最初はナレーションやエトキ的場面が多い気がしましたが、次第に面白さが分かってきて、最後はしみじみしました。流行歌手として一世を風靡した佐藤千夜子が、自分を見失い、最後は貧しさの中で孤独死する。絵に書いたような転落劇に引き込まれました。
役者も、皆歌がうまくてびっくり。マイク無しでよく声を胸から響かせていた。とくに若い千夜子役がよかった。
白いロープを月山や、十字架や、あるいは波頭にと、様々に見立てるのも面白かった。一見の価値ある舞台でした。
37年以上再演を重ねてきた舞台だそうです。古い演劇人に聞きましたが、演目は違いますが、「風の子」の学校公演などで当時はこのシンプルな演出が一世を風靡したそうです。最初にこれが演じられた時の衝撃は大きかったでしょう。