【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」 公演情報 壱劇屋「【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2018/07/28 (土)

    Wordless殺陣。心踏音で一度観た時にまず思ったのが、想像以上に内容がしっかり伝わってくることでした。海外のパフォーマーが見せる…いわゆるノンバーバル芝居だと、やはりバックボーンにズレがあるせいか…伝わらないことは少なくないのですが、壱劇屋の本ジャンルは、​殺陣を核とするエンタメ…時代劇等で培われた共通認識…いってみればお約束がシッカリ通用する世界なので、言葉がなくとも理解できる。

    そして…凝りに凝ったダンサブルな殺陣、ありとあらゆる効果を使った演出で、それだけでも作品として成立しそうなパフォーマンス。特に終盤で…畳み掛ける敵陣を鬼が一閃したシーン…閃光を使ってストロボアクションの様に見せた演出は好きでしたねぇ。

    ただ、芝居に殺陣にさほど重きを置かずに観ている私としては、芝居の中に…それプラスαの工夫があるところに、むしろ感心します。「心踏音」のソレは…芝居の中に仕込んだ密かな人間関係をセリフなしてシッカリ伝えてきたことでした。

    「独鬼」にはその感心が2つあります。

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    ネタバレBOX

    【続き】

    1つは女(鬼が保護した娘)と…その因縁の彼氏になる男…この2人の4つの年代を4人ずつの役者が交代で行っていくこと。それが単に成長の表現や役者の適性を活かしたものであるに留まらず、終盤でその4組を同時に使うことで…時の流れ・積み重ねを絶妙に表現し、そこに立ち会う…鬼に迫る情感を湧き立たせる演出になっていくのが素晴らしかった。ここら辺にかなり涙腺を刺激されました。

    もう1つが…くどいほどに繰り返し繰り返し…しかもほとんど同じパターンで迫る鬼の危機…その積み重ねによる鬼の疲弊感。不死である鬼には…生半可な危機など通用しないわけですが、精神的にヤラれる感じが実によく伝わる。女の幼い「不殺の信念」を背負うことになり、なまじっか それを救えてしまうことにより…一見すると負のスパイラルに陥る展開でしたが… しかし、最後に号泣する鬼の周りに集まる村人たちの姿を見て…逆にこの女が…「人に受け容れられぬ魔物であること」から、不死の鬼を救ったのだ…と思えてジワっときました。
    鬼が世話をしてた赤子が…いつしか鬼を庇護する母になっている。鬼の後の人生は…そんな甘いものではないでしょうが…これがあれば生きていける…そんな気にさせるエンディングでしたね。

    竹村さんの全編絶えることなく続く…柔らかくも力強い演技…ほんと良かった。

    高安さんの有無をいわさぬ笑顔、破壊力あった。あの逆らえない感じ、すごい。あと、名古屋観劇人としては、山本一樹さんが壱劇屋に馴染んでハマってたのが嬉しかった。人間じゃない感…デスノートの悪魔然とした佇まい…「首、コキン!」がむちゃむちゃ不気味で味があった。

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    2019/01/03 14:45

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