さらばコスモス 公演情報 世界劇団「さらばコスモス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ■約75分■
    “外からの影響を一切受けず、演劇という表現形態を独自に作り上げ独自に進化させた?”と疑いたくなってしまう、片山さつきが「離れ小島」と呼んで批判された某地の劇団によるガラパゴス的劇作品(とあえて書かせていただきます)。
    そう言いたくなるくらい、これまでに日本で観てきたどの演劇にも似ていない。
    劇効果を高めるために大ボリュームで音楽を流し、絶叫調のセリフが飛び交い、人間心理の機微、人間関係の綾などといったしゃら臭いものは一切描かれず、音楽に頼ることなくボソボソとした自然な会話のみによって人間関係の機微を浮かび上がらせるシアターカンパニー・青年団とは真逆の作風。
    これもあえて青年団の逆をやったわけではなく、やりたいことをやりたいようにやったらたまたまそうなっただけなのに違いない。
    劇にはある母娘(おやこ)が出てくるのだが、母は継母が夫の連れ子をいじめるような激しさで実の娘を罵り倒すばかりで、そこには“愛憎相半ばする”といった親子ならではの微妙な心理は微塵もなし。
    なぜなら作者が描きたいのは世界開闢にまつわる大きな大きな物語であって、大きな大きなこの世界の構成単位に過ぎない一人一人の人間がどんな思いで日々生きていようが知ったこっちゃないのである。
    しかし、小を捨てて大を取った劇世界はたいそう魅力的。マクロな想像力が紡ぎ出すでっかいでっかい作品世界に圧倒された。

    ネタバレBOX

    被造物であるお父さんが頭を斧で叩き割られてそこから世界が生まれた、との仮説が楽しい世界開闢演劇。その世界にまたお父さんが生まれ、その頭からまた世界が生まれ…という無限ループを想像させる、ウロボロス・サークルのような世界観に惹きつけられた。

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    2018/12/31 19:15

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