群盗 公演情報 劇団俳小「群盗」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★


    ドイツ古典文学を分かりやすい解釈で格調高く軽快に、現代にも通じる新鮮で刺激的な素晴らしい舞台でした。

    ネタバレBOX


    ピアノの生演奏、奥行きと時代の風情が感じられる舞台美術、窓からの木漏れ日等を表現した演出、照明効果も美しくとても良かったです。

    特に、弟の謀略に嵌まり生き方として選択した盗賊への変身、その時代を捉えた社会風刺、弱者の為にと正義と自由を掲げていた行動が、仲間を救う為に老人子供達を犠牲にしてしまっていた赦されない罪(現代の今も繰り返さている悲劇)、もう戻ることのできない穢れ犯した罪の重さに気づき罪悪感嫌悪感を抱き何もかも失ってしまった兄カールを渡辺聡さん(そこには自由を追い求め、封建的格差社会への抗い、組織から抜ける難しさ、仲間との切れぬ絆、掛がえのないものを失う辛さも)、自身の欲望のためなら手段を撰ばない狡猾な策略で他人、肉親をも欺き徹底的に利用し、父親を生きたまま墓へ入れてしまう悍ましいほどの残忍さを持つ弟フランツを大川原さん(自己、自国ファーストな人間)、どこまでも一途にカールを信じ、気高く痛々しいまでに献身的で芯の強いアマリアを米倉紀之子さん、それぞれ誰もが情感豊かで、ひとつひとつの台詞の響きも心地良く、また伯爵役勝山さんも物語に重厚な雰囲気と一層の悲愴感をもたらしていて、役者皆さんから伝わる空気感、人間味に溢れた演技に魂が揺さぶられる舞台でした。

    5部作の作品を休憩含め2時間30分に納めた見ごたえのある舞台でしたが、できたら、ノーカットものを、この劇団、この俳優陣で、
    是非 “ 観たい”

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    2018/12/29 10:47

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