財産没収 公演情報 サファリ・P「財産没収」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/12/23 (日) 11:00

    日曜11時の回にもかかわらず、席は満杯。トークがあるというのが呼び水になったのか、テネシー・ウィリアムズのこの小編に何か魅力を感じたのか。

    割と厳しめの評価が多いけれど、本来ならリーディングでしか成り立たないであろう、10代前半の2人の男女の会話劇を、よくまあ、身体表現と僅かな舞台装置で「描く」ことに徹したなあ、という点で感心しきり。ただ、万人受けはしないだろうなあ、と思ったけれど。

    トムとウィリーの会話に、亡霊のような死んだ姉を登場させ、舞台を徘徊させたり、狂気じみた踊りを展開させたり、ウィリーのセリフを再現させたり。そこには、ウィリーの姉への敬愛に見え隠れする嫉妬、全てをウィリーに譲り渡して病死していった姉の執着と悔恨がほどよく描かれている。ウィリーにほのかな恋心が芽生えたトムが、ウィリーの言葉1つ1つに右往左往させられる姿が、切なくもかわいい。

    必ずしも、2人を10歳代前半と想定はしていないようだけれど(ウィリーがしばしば酒をあおる)、実際の役者さんの姿形と相まってまさに年齢不詳、針貝さんが評したような「夢幻能」、死霊の世界を感じさせる演出は、生者と死者の交換を見せられているような雰囲気がとても素晴らしいと思う。

    ネタバレBOX

    ポストパフォーマンストークで、針貝真理子さんが、上演中の一場面、音楽の音量が上がり、役者のセリフが途切れ途切れにしか聞こえず、舞台狭しと踊り舞う場面を指摘して「渋谷」のようだと評していた。
    ひたすら情報を与えられる渋谷の喧騒状態が、トムにウィリーが与える、真偽の判らない情報の氾濫状態に等しいと。これを受けて、山口茜さんが松山公演で松山の大学の先生(壽卓三さんという方かな)からも「渋谷」みたいと評されたと回想していた。

    そこで山口さんが何で「渋谷」であって、他の繁華街ではないのか?と疑問に思っておられた。針貝さんは、こまばアゴラが渋谷に近いので、そう評したと回答していた。

    まあ、そういうこともあるのだろうけれど、渋谷の特徴は、多くの路線と道路が錯綜し、ハチ公前を中心に道玄坂方面からでも宮益坂方面からでも、様々な喧騒が通り過ぎる放射線状の繁華街だからだと思う。

    池袋や新宿は東西で街の顔が違うし、上野や銀座は静謐と喧騒の2面を持っているし、
    渋谷のような街全体が比較的均一の態をなしていないので、比喩に上がらなかったのかなあ、と思った次第。

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    2018/12/26 15:04

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