円盤屋ジョニー 公演情報 ジグジグ・ストロングシープス・グランドロマン「円盤屋ジョニー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    短編3本のオムニバス形式の公演。
    当日パンフに作・演出の堤泰之氏が「旗揚げ以来、2時間の1本モノと3話オムニバスを交互に行って来ました。」とあり、「お客様に毎回、スタイルとテイストの違う作品を楽しんで頂きたい」と記してある。そのサービス精神溢れるような思いがしっかり作品に表れていた。
    芝居であるから多少誇張した面はあるにしても、それぞれの作品は現実にあるようなシチュエーションで、思わず頷いてしまう。
    (上演時間1時間45分 各作品は約30分)

    ネタバレBOX

    チラシにも当日パンフにもそれぞれのタイトルと粗筋が(親切にも)書かれている。
    第1話「晩秋に吠えろ」
    テニス教室の女性の間でちょっとした騒動が起き、隣コートのさえない男たちが仲裁のような役割を買ってでるが…。
    第2話「円盤屋ジョニー」
    南の島にやって来たカップルがはぐれ、偶然にも円盤屋という怪しいBarで再会するが、何とそこで繰り広げられる犯罪に巻き込まれ…。
    第3話「父を叩く」
    余命幾ばくも無い父が入院している病室、そこで家業を継いだ息子(長男)と嫁、そして小演劇に携わる次男が久しぶりに帰って来たが…。

    それぞれは、ラブコメディ、ノアール、ヒューマンといった感じでテイストが異なる短編。そしてこの順番での上演が、違う(印象落差の大きい)テイストとして作品の持つ味(魅力)の相乗効果を高めていたと思う。
    作品に共通しているのは、現実に起こり得る事柄を芝居ならではのデフォルメを施して、笑い・緊張・哀しみなど、人が持っている違った感情に揺さぶりをかけるところ。物語の内容が分かり易いだけに直接的に響き、アッという間に感情移入させてくる。脚本は繊細・絶妙。演出は丁寧で、舞台セットは順々に設えを多くし、物語間の舞台転換に時間を要しない工夫をしている。そして物語を一層面白くしているのが、役者陣の熱演とチームワークの良さ。

    公演タイトルの「円盤屋ジョニー」は第2話のタイトルと同じ。そのジョニー…物語では探しに行ったが見つからない。肝心なジョニー、何らかの理由または意味があって登場しないのか、正体が気になるなぁ~。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/12/25 00:19

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