満足度★★★★★
鑑賞日2018/12/15 (土) 14:00
座席1階1列
ピンター死後10年ということで、ひっそりと、それでいて確信的にピンター作品の上演が続いている。
昨年の世田谷パブリックの「管理人」から、「ダムウェーター」「ヴィクトリア驛」「誰もいない国」ときて、この「灰から灰へ」。
1時間の芝居なのだけれど、疲れたとにかく疲れ果てた。
この会話劇はそもそも何なのだ。
2人の男女の関係は???
冒頭、拳へのキスを求められた女がその回想をし、舞台途中で、現実の舞台で会話をする男から、拳へのキスを求められる。繰り返される?なぜ?
回想の男は、この男なのか?
尻と胸を強調した下世話な台詞から、飛躍する経済や戦争の話。
最近、何か難しい物語をすぐに不条理と言う傾向が気になっていたのだけれど、
おそらく不条理といってよいのはカフカとイヨネスコとピンターだけではないか。
ベケットやカミュは、不条理なのではなく、多様性・多義性あるいは、転用可能なテキストに過ぎない。
(これは、作品の価値どうこうではなく、何でも不条理で片づける安易な傾向に対する無思慮さを否定する以上の意味はない)
短い公演日数で、再度見れないのが残念。今後もピンター作品の多くの公演を望む。