タナトス -Thanatos- 公演情報 iNK Entertainment Co. Ltd.「タナトス -Thanatos-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    タナトスとは
    死を具現化した神様の名前です。ギリシャ神話にも登場するタナトス!
    今回の劇は、死の欲動を意味する言葉として使われていました。「切り裂きジャック」と「メデューズの筏(実際にあった海難事故)」を題材にした深層心理劇!素晴らしい!本当に素晴らしい!!

    ネタバレBOX

    役者は3人。
    架空のネームを付けられた少女ルナ(ラテン語で狂気)、心理学者、そしてスコットランドの刑事。

    ルナ役の高島の演技が素晴らしい。
    記憶を失ったルナが過去の記憶を呼び起こす際に、当時の船に乗っていたアーサー、ソフィア、ビリー、アダム、ジュリアの会話を話し始めるが、テンポの早いセリフなのに見事に5人を分けて演じる。セリフだけで5人を演じるって・・ホント凄い!凄いです。

    心理学者はルナの記憶を探りながら紐解いていきますが、記憶の断片をパズルのように組み合わせていく様は巧みで、物語にどっぷりの引き込まれました。心理学者とは真逆にちょっと軽そうでとぼけたおしゃべりの刑事がこの重くなりそうな空気を上手く緩和してほっとさせる空間を演じている。

    まったく隙の無い脚本が素晴らしい事と、2階に設置された6体のソールがこの物語の登場人物を服のカラーで見事に演出し説明しているからこそ、分かり易いし、謎の6体目が実はここに居る心理学者だった。という謎解きにもなっています。

    物語は誠実なはずの心理学者が実は狡猾で陰湿だったという、観客が見事に裏切られたようなストーリーに私たちは落胆しますが、同時にゾクゾクします。

    船上で食料が無くなった時に、ニンゲンはどんな行動をとるか。
    自分の手を汚さない心理トリックで偽装殺人に見せかけ、他の人達をパニックにさせたルナ。その事によって引き起こされた疑心暗鬼の心。更に殺人を呼び起こし次々に殺される乗船者。そしてやがて真犯人が解るのです。

    本当に手を下した悪魔の名は「猜疑心」です。




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    2009/03/19 16:15

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  • んー、とっても素晴らしかった!(^0^)
    元々、こういうお芝居は好きだしね♪

    はい、スリルとサスペンスに満ちていました。冒頭から物語に引き込まれ、あっという間に終わってしまった舞台。

    それから、3人の役者の演技力には感服しました。
    3にんの絡みが絶妙でした。

    人を疑う事。全ての悲劇はここから始まると言ってもいいですね。

    2009/03/20 01:25

    ☆5つ、素晴らしい作品だったみたいですね・・。

    役者さんが少ない舞台ですとどうしても同じ人が何役もこなすことになりますから、このあたり、どれくらいわかり易く見せるかが、演出家の腕の見せ所でしょうね。

    堅牢にしっかり練られた脚本というのはやっぱりいいですね。
    あと、誠実なはずのキャラが実は・・なんてところも実に面白そう・・。

    切羽詰った時、最後の最後、なりふり構わなくなったところでその人間の本性が現れる・・。
    ある意味、演劇の題材としては、もっとも興味深いテーマかも知れないですね・・。

    2009/03/19 18:14

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