二人の女の家 公演情報 THEATRE ATMAN「二人の女の家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     原作は韓国の作家・李 哉尚さん。

    ネタバレBOX

    戯曲の三分の二位まで、無駄な科白が一切ない、と日本人の自分にも捉えられた。こんなことを言うのは、入管法「改正」と騒いでいる現政権の茶番が頭にあるからであり、この糞共の目論見があからさまに見え透いているからでもある。今作の原作者は、1910年の日韓併合によって植民地とされた後、土地を奪われ、主権を奪われ更に創氏改名を強要されることによって人間のアイデンティティの基盤さえ日本に奪われた半島の人々の恨みつらみを代弁している訳ではない。然しながら大日本帝国の兵士としても徴用された作家の先達達の経験を含む戦争の悲惨を生き抜いた民族の辛く深く昏い地獄が今作のベースには在る。そんな訳で様々な要素はあるにしても、朝鮮半島が分断化され4.3事件など半島と直接的な関係が無い島嶼部を含め、日韓併合後多くの悲劇が齎された彼らの悲痛な歴史の一部は我が民族のせいであろうと考えている訳だ。かつて、文化的にも我々の兄貴分であることを知っていた日本のアーティストは、龍を描く時、決して爪の数を四本だとか、五本に描いていない。現代の作品を見ると、この程度の予備知識も持ってか持たずか爪の数を増やしている作家がいるので、見る自分としては嗤っているのだが。話が脇に逸れた。
     何れにせよ、日本人が書いたなら、医師を懲らしめた辺りで作家は筆を置いたであろう。然し、それでは、未だにこの民族が抱えている根本的問題を描いたことにならないし、地獄も描けないということになったであろう。その先を在り得るリアリティーと共に描いている点に今作の真骨頂があろう。作家の豊かな才能も感じる作品である。

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    2018/12/09 00:52

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  • 清水さま
    コメント有難うございます。
    今、日本で上演する意味の大きいとてもいい作品でしたね。
    二〇一八年度の自分のベストテン候補に無論入っていました。
    ただ、劇団のゲル貧度と公演を打って出た赤字などを勘案して
    今回はベスト10からは外しました。但し内容的には、自分の評価した4位以降と
    25位迄は遜色が無いと考えています。優れた才能は別の所でも評価してゆきたいと
    考えています。お互い切磋琢磨して世界に関与し、あわよくば変えて行きましょう。
                                  ハンダラ 拝

    2019/01/12 01:41

    大変遅くなりましたが、
    ご来場、そしてコメントありがとうございます。

    そして、私共の作品から様々なことを想い巡らせてくださったことを嬉しく思います。

    これからも伝えたい「何か」を表現できるよう精進致します。

    2019/01/10 01:52

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