満足度★★★★
鑑賞日2018/12/05 (水) 14:00
座席1階2列
神目4人のうち、タケを除く3人がそれぞれに恋心を抱いている。
コマメはその心に鬼が住んでいると思い、ウタには嫉妬と憎悪とにまみれた心として抱かれ、カイには荒んだ心の癒しとなっている。
ただ、彼女たちは一様に、その恋心をかき消そうとしているという話。
ただし、この話は前面に出てくることはなく、むしろ、この舞台で展開されるのは、昭和という時代に入って、かなぐり捨てられようとしている古い因習の話だ。
この因習によるしがらみを捨てるということは、盲目の彼女たちに平穏と安寧を与えるものであると同時に、その端境期には彼女たちの生活の礎を損なうものにもなりかねない。神目である彼女たちには、祈祷が生活の基盤であり、それを否定することでもあるのだから。
今回も舞台が見事。始まりと終わりに嵐を描くために、大量に水を降らし、その受け皿として大きな池を配置し、そして恒例のラストの場面転換。
今回は、桟敷童子おなじみの人間の屑がいないので、かなり気持ち良く観れるけれど、
コマメとハルの悲劇は、胸が締め付けられるようだ。もっとハッピーエンドはないのか。(うーん)