多和田葉子+高瀬アキ『ジョン刑事の実験録』 公演情報 シアターX(カイ)「多和田葉子+高瀬アキ『ジョン刑事の実験録』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     無論、ジョン・ケージのことだ。今回は13本。

    ネタバレBOX

    1:プロローグ2:同時通訳3:「Silence」より4:沈黙は金か5:黒い箱6:蝉の声7:実験8:片手で拍手9:絵画の隠れん坊10:ピアノ・ソロ11:サイコロ朗読12:ケージとシェーンベルクの会話13:ほかほか発見 コラボ終演後には恒例のトークセッションが30分程。
     ケージと絵画との共鳴が様々にあるので、こちらはカンディンスキー、ゴッホ、モネ等の作品写真を背景に為される葉子さんの朗読・アキさんの演奏のコラボが素晴らしい。(このコレスポンダンス自体悪戯であるのは無論言うまでもない)カンディンスキーは、 物象を円とか三角とか平面分割の各要素に分けて描いていた時期があり、それは音符の持つ抽象性と極めて親密な関係にあるから、彼の絵とケージの曲がマッチするのは当たり前のこと。自分もカンディンスキーは大好きな画家の1人だが、理由は絵画から音楽を感じるからで、そういう人間は多かろう。兎に角、楽しいのである。色使いといい、形といい、配置といい2次元が立ち上げる音楽だ! 
     終演後、恒例のアフタートークで若い女性が面白い質問をした? 楽しく生きるにはどうしたらいいですか? というような内容であったが、答えがまた面白かった。「あまり~しましよう」っていう生き方をすると人生は暗くなってしまう。それより、悪いと思ったらそれを声に出して言ってやる。そうすると楽しい、と。如何にも海外で暮らす人の言葉だと共感した。天皇家が朝鮮系の血も引いていることは、明仁天皇も明言しているが、日本をリードしてきた人物は基本的に海外生活の経験を持つ者が圧倒的に多い。海外で暮らしていない場合でも、海外情報を得ていたりで世界情勢に明るい者が圧倒的に多いのだ。そういう人々が歴史を動かしてきたのは、少し歴史を振り返ってみれば明らかだろう。近代国家以前であれば、各領地のトップは他のエリアの正確で時宜に適った情報を持つ者が大きな力を持ったのだ。この程度のことが分かっていないこと自体を分かっていないという自覚の無い者が多いから、いつまで経っても惨めな状況から抜け出せない人々として生きるしかなくなるのだ。既に来年の予定も決まっている、鬼に笑われるかも知れぬが来年も11月。楽しみである。

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    2018/11/21 19:42

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