享保の暗闘~吉宗と宗春 公演情報 雀組ホエールズ「享保の暗闘~吉宗と宗春」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇団初の時代劇とのことでしたが、人物の描き方・殺陣・ダンス、いずれも素晴らしいクォリティでした。

    ネタバレBOX

    まずは主宰の佐藤雀さんに感謝をしたいです。名古屋に行かれた際に出会った「宗春ロマン隊」との出会いと公演あいさつ頂戴した資料でこれだけの舞台を作り上げていただきました。お恥ずかしながら当方不勉強で宗春については全く知識を持ち合わせなかったのですが、吉宗との関わりを含めとても興味深く拝見でき、本当に勉強になりました。
    宗春の幕府に対する反抗的な行い振る舞い、御三家の藩主であり、さらに格下の藩出身の吉宗がよもや自分に処分を下すまい、という安心感だったのでしょうか。不遜とも思える言動の数々は過去のことであり、舞台上で描かれていることが分かっていながら冷や冷やでした。
    吉宗については御三家の中で尾張藩に次ぐ紀伊藩の藩主であり、本来であれば将軍職に就くことはできなかった吉宗。尾張藩との格差や宗春へのコンプレックスから将軍職への自らの資質に疑問を持ち、後継者問題に頭を悩ませる吉宗の描き方がとても面白く、TVドラマで悪党をバッサバッサと成敗した吉宗とのギャップを感じとても興味深かったですね。
    舞台拝見後、いろいろなことが頭をよぎりました。例えば“江島生島事件”の江島が門限に間に合っていたらおそらく宗春が将軍になっており、どのような政治・改革を行ったのだろうか、とか、吉宗は享保の改革で質素倹約を奨励する一方、思いつきのように「象を見たい」という一言で象を長崎から江戸まで歩かせ、通り道の藩には数々の要求を強いましたが、この象が尾張藩を通過するとき宗春は何を思ったのだろうか。など、いにしえに思いをはせることが出来たのも本公演の素晴らしさによるものでした。
    佐藤雀さん、たっぷりとロマンを感じましたよ。

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    2018/11/18 17:43

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