満足度★★★
橋本環奈さん騒動ですっかり有名になった立教大学学園祭の最終日にやってきました。混乱の痕跡を探してみましたが人が一杯で良く分からず諦めて大学の一番奥にあるウイリアムズホールへ向かいました。
受付で渡された当日パンフレットはしっかり作り込んであって、今まで観たどの小劇場公演よりも力が入っていました。平日だというのに開演のころにはほぼ満席になってびっくりです。
毎日顔を合わせているだけあって皆さんの身のこなし、声の調子が揃っていて好印象です。演技は落ち着いていて、セリフを噛むこともなく、トラブル無しでカーテンコールへ。拍手が続いていたのにダブルコールは無しということでちょっと残念。千秋楽くらい出て来ても良いのに。
話の展開のスピードが遅いと感じました。一つ一つのセリフや所作を確認するようなところがあってちょっと丁寧すぎるかなと思います。脚本も説明しすぎではないでしょうか。
「イチョウ」への怒りは良く表現されていましたが、対する悲しみ、哀しみがもう一つ感じられませんでした。誰も死なない、大怪我すらしないことの限界でしょうか。「モクセイ」もあれだけ「イチョウ」に逆らっていてもずっと側近のままというのも解せません。そして主役(?)の「スミレ」の印象が希薄です。おそらく「ヒガン」との淡いラブストーリーが主題の一つで最後の別れがクライマックスだったのかなあとは推察しますが、ただの友達にしか見えないのが苦しいところです。それと「ヒガン」が以前にどんな悪行をしたのか最後まで説明がなかったのがもやもやとして残りました。
こういうファンタジー物では世界観が重要です。多くの事柄は日本昔話風ですが「ヒガン」の衣装は中国王朝風でした。すべて中国風で統一するのが王道ですが、それは安易だと嫌ったのでしょうか。お金もかかりますからね。